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新日本製鐵とダイセル化学は、塩ビを含む廃棄プラスチックを原料に、メタノールを合成するリサイクル技術の確立のため、7月にも実証プラントの建設に着手する。 同技術は、廃プラを高温で部分酸化分解してCOとH2の合成ガスを生成、これを反応させてメタノールや酢酸を製造するとともに、合成ガス中に含まれる塩素を塩酸として回収するというもの。開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託したクリーン・ジャパン・センターに協力して行っており開発費はおよそ6億円。建設する実証プラントの規模は廃プラ処理能力が5t/dで、年内に完成し2001年初頭から実証試験を行う。プラントの建設地は未定だが,新日鉄・富津研究センター内が有力。 今回の技術開発のポイントは、廃プラの炭素分を一酸化炭素として化学原料化することで大気中への二酸化炭素排量を抑制することであり、新日鉄の部分酸化技術をプラスチック処理に応用する。また、廃プラからの合成ガスによるメタノール合成技術を確立するほか、合成ガス中の塩素ガスを工業用途での使用に耐える品質の塩酸を得ることも大きな課題としている。 なお、塩酸回収技術に関しては廃プラを分別することなくリサイクルできることから、塩ビ工業・環境協会から支援を得ている。 |