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日揮がマレーシアのタイタングループから受注し、同国のジョホール州パシールグダンで建設を進めていたタイタン ペトロケミカル向けタイタンNo.2クラッカープラント=写真=が完成、このほど本格操業に入った。同プロジェクトは現地法人であるJGCマレーシアとの共同受注案件で、米国ストーン アンド ウェブスターのエチレン製造プロセスを採用。エチレン(年産33万トン)、プロピレン(同16.5万トン)の製造プラントとオフサイト/ユーティリティ施設を建設し、99年6月にメカニカルコンプレッション、同11月には実際の運転を開始していた。日揮は、今年1月にマレーシアLNGティガから世界最大のLNG生産基地を受注するなど昨年夏以降、マレーシアでのガス関連プロジェクトを相次いで受注。世界的に案件数が減少し、受注競争が激化する中で、マレーシア関連の業務が活況を呈している。 ●PPプラントも操業開始 タイタングループはエチレンプラント、ポリエチレンプラント、ポリプロピレンプラントで構成するマレーシア初の石油化学コンビナートをパシールグダンに建設、運営している。本格操業を開始したタイタン ペトロケミカル向けタイタンNo.2クラッカープラントは、96年11月に受注したもので日揮の役務範囲は設計・調達および建設役務で、契約形態はランプサム・フルターンキーとなっていた。 同グループは当時、総額1,200億円をかけて新たにエチレンプラント、ポリエチレンプラント、ポリプロピレンプラントや塩化ビニールモノマー、塩化ビニールポリマー、スチレンモノマー、エチレンオキサイド/エチレングリコールなどで構成される大型2期工事を計画。その最初のプロジェクトとして第1期工事でエチレンプラントとポリプロピレンプラント建設を請け負った実績を持つ日揮にエチレンプラントを発注していた。「プラント規模の割には短納期で完成させることができた」(日揮)エチレンプラントのほか、同時期に日揮が受注した隣接するポリプロピレンプラントも完成、本格操業に入っている。 ●ガス関連を相次いで着手 日揮はマレーシアのシェルMDSから昨年7月にSMDS(Shell Middle Distillate Synthesis)プラント再建に伴うエンジニアリング、機材調達役務を受注したのを皮切りに、同8月に米KBRなどとのコンソーシアムでマレーシアLNGからLNGプラント2基の増改造プロジェクト(提供役務はエンジニアリングおよび機材調達/建設工事の監理)を受注。さらに今年1月には同じくKRBなどとのコンソーシアムで、マレーシアLNGティガからLNG生産基地を受注し、現在それぞれの役務範囲の業務に取り組んでいる。 この中でマレーシアLNGティガの第3期プラント(通称:LNG TIGA)は、単一のLNG生産基地で世界最大となる年間生産能力760万トン(380万トン×2トレーン)のプラントをサラワク州ビンツルに建設するもの。日揮とKBR(当時はM.W.ケロッグ)のコンソーシアムは第1期(83年)、第2期(95年)の建設を手掛けており、それに続く受注となった。この第3期プラントが完成するとマレーシアLNGティガの総生産能力は年間約2,300万トンに達し、LNG生産基地として世界最大の規模を持つことになる。日揮などのコンソーシアムでは、第1系列が2002年11月、第2系列は2003年8月の完成予定に向け、既にサイトオペレーションに着手している。 |