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Kvaerner Process Technology(KPT)はこのほど、米国Acid-Amine Technologies(AAT)から一連の工業用アミン製品製造のプロセス技術ポートフォリオを買収した。 KPTは英Stocktonの同社技術センターでさらに開発を進めた上で、これらアミン製品を同社のライセンシング品目に加えていく方針である。KPTはメチルアミンと誘導品のジメチルホルムアミドなどのプロセスを持ち、前者で6基の建設実績があるが、AATから取得した技術には、既存6プラントで使用されているエタノールアミン技術や4プラントで採用実績のあるジメチルフォルムアルデヒド(DMF)のプロセス技術も含まれている。DMFは選択抽出溶剤として広く使用されている。 KPTは近年、年間売上高の10〜15%を投じている自社開発ないしは共同開発のプロセス技術に加え、買収によりライセンシング品目の拡充に動いている。今回の動きも、こうした技術ポートフォリオを通じた差別化戦略追求の一例といえる。 [新技術センターの開設] イングランド北東部のDurham大学Stocktonキャンパス隣接地に建設した新テクノロジー・センターは、Kvaernerの技術差別化戦略の象徴である。4000u以上の敷地にパイロット・プラント、研究棟、事務棟からなる同センターは、建屋だけで1,000万ポンド、別に機器と訓練に300万ポンドが投資された。特徴的なのは、パイロット実験室が広範囲のデータ採取設備とネットワークで結ばれた15基の完全オートメ化ミニ・プラントで構成されていることである。KPTは、過去25年にわたりミニ・プラントの利用を重要な低コストの開発ツールに育て、有効性を実証してきた。0.5〜1t/hの能力をもつ通常のパイロット設備に比べ、ミニ・プラントは0.5〜1kg/hが普通であり、1,000〜1万倍のスケールアップでコマーシャル・プロセスに仕上げることができ、建設費が10〜20%ですむほか、原材料費や用役費、人件費などの節減効果も大きく、開発期間も大きく短縮できる。 Durham大とは密接に協力しており、1995年にリアクター技術センターを設立して共同研究や学生の実地研修に利用している。1998年には同技術センターを活用して定員10人、期間1年の化学プロセス工学の修士課程寄付講座を開設した。 [提携、買収でコア技術拡充進む] Kvaernerのコア・プロセスの多くは、顧客企業との多年の共同開発で蓄積されたものであるが、最近も新技術による世代交替や、買収による技術基盤拡大が図られてきた。@Kvaernerの合成ガス技術のルーツは、Powergasの都市ガス製造から数えると100年近くになるが、近年はメタノール製造用の大型リフォーマーに特化していたものの、コスト削減が課題であった。現在、BP Amocoとの合弁事業で天然ガスを合成ガスに転換する新リフォーマー技術を開発、通常の3分の1のサイズで、コストの大幅節減を可能にする革新的設計を採用している。また酸素供給を必要とせず、プレハブ化したモジュールをサイトに運ぶことができるため工期の大幅短縮を実現した。遠隔地や沖合ガス田の商業化に道を拓くものと期待している。A上記リフォーマーを組み込んだメタノールの新プロセスは沖合プラットホーム上に日産2,800tプラント設置可能。他方、多年協力関係にあるICIの触媒子会社Synetixとは、通常のメタノールでの協力を更新するとともに、KPT新プロセス向け触媒システムの改良で協力する。B1971年以来の米Union Carbideとの共同開発による低圧オキソプロセスは、世界13カ国、26件のライセンス実績を持つが、継続的開発により、現在は第4世代プロセスが商業化されている。C上記オキソ技術の延長として長鎖オレフィンから洗剤アルコール製造のパイロット設備が1997年に稼動している。DKPTはブタンからの無水マレイン酸を原料とするブタンジオールとその連産品の経済的プロセスを開発、最近のマレーシアとサウジアラビアから受注で6基、25万トンに達した。BASFの気相酸化ルートとKPTのエステル化技術を組み合わせた無水マレイン酸製法を共同開発中。EKPTのエステル水添技術は、天然油脂からの洗剤アルコール(NDA)製造にも応用されており、1997年にフィリピンで第1プラントが稼動、今年、第2のプラントが完成、稼動する予定である。Fこのほか、スイスBuss CPS買収により、200設備での500以上の反応に使用実績のあるBLR(Buss Loop Reactor)技術を取得、改良してファインケミカル製造プロセスに大きな橋頭堡を築いている。 |