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化学工学会、SCE・Netを設立
シニア技術者の知見活用、企業の問題解決を支援



 化学工学会は化学工業分野で長年、活躍してきたシニア化学工学技術者の知識や技術を、企業の様々な問題の解決に結びつけるシニアケミカルエンジニアズネットワーク委員会(SCE・Net、委員長:中島幹・綜研化学社長)を設立、5月中旬から本格的な活動を開始する。このSCE・Netはシニア化学工学技術者の知見と、企業の多様な問題解決のシーズを化学工学会という学会ベースで結び付け、需要と供給のマッチングを図ることによってシニア化学工学技術者の自己実現と社会貢献の機会を創出するのが狙い。個人会員100人、法人会員50社を目標に会員募集を行うと同時に、サイバーコンサルティングシステムを立ち上げ、法人会員からの電子メールによる質問、相談や各種の支援業務をスタートさせる。

●5月中旬から本格活動
 化学工業分野のプラント建設や装置の運転・保全、生産管理、技術開発、環境保全などで活躍してきたシニア化学工学技術者は、長年の実務経験を通じて豊富な知識と技術を蓄積し、企業組織を離れてもその知見を活用して社会に貢献したいとの意欲と能力を持っている。一方、産業界でも経営のスピード化などの構造革新や環境調和型経営が求められている中で、中小企業は豊かな経験や知見を持った有能な人材が不足し、それら新しい時代の要求にいかに対応するかに苦慮しているのが実情と言える。
 SCE・Netは「これら両者の橋渡し」(中島委員長)を狙いに設立されたもので個人会員65人、法人会員13社で発足、化学工学会産業部門の開発型中堅企業連携部会の活動の一環として事業を展開する。会員は化学工学会の個人会員を原則にSCE・Netの趣旨に賛同し、事前に専門・職歴・経験分野毎に登録した個人会員と、化学工学会の法人会員で問題解決や相談などを希望する企業・団体の法人会員で構成。法人会員からの電子メールによる簡単な質問や相談は無償、また有償となる支援業務の場合は事務局が適切な専門家(個人会員)を選任し、課題解決や企画提案を含んだ検討報告書を提出する。
 支援活動分野は、@環境問題(公害対策、環境保全、環境管理など)、A安全対策(安全対策、地震対策、危険物管理、安全基準・指針など)、B基準、規格化(GMP規格、品質保証など)、C生産改善(運転、品質改善、収率改善、省資源、省エネなど)、D設備改善(設備診断、保守管理、機種選定、設備計画など)、E技術開発(新プロセスの開発、スケールアップ、技術評価、特許など)、Fシミュレーション(各種装置・システムのシミュレーション、CADなど)、G補助事業(研究開発補助金の申請書作成、伝票事務管理など)―の8分野。法人会員が問題解決、相談などの支援業務を依頼する場合には半日で1万円(最大限3日、交通費・宿泊費は別)を個人会員に直接支払うシステムとなる。