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RPF化と高炉・コークス炉吹き込みで定着か
東ガス化、油化などは廃プラ確保やコストが課題に



 容器包装リサイクル法(容リ法)が4月から完全施行され、再商品化(リサイクル)の対象品目やリサイクルの義務を負う対象事業者が大幅に拡大し、廃プラスチック対策も大きく変わろうとしている。廃プラスチックのリサイクルでは、@プラスチック原材料化、A油化、B高炉還元、Cガス化―の4手法のほか、コークス炉化学原料化も検討され、各種リサイクル技術の開発、実用化が積極的に進められている。その中で造船・重機系メーカー、高炉各社が中心となって取り組んでいるリサイクル手法は、現在のところ固形燃料(RPF)化と高炉・コークス炉吹き込みが主流となっている。
 また、比較的早くから技術開発が行われてきた油化と、最近になって登場したガス化、プラスチック原材料化には造船・重機械メーカーや高炉各社をはじめ、重電、環境機器メーカーなどが参入。いずれも技術的に実用段階を迎えているものの、再商品化コストや製品(再商品)需要などが必ずしも明確になっていないのが実情と言える。そのため現段階でリサイクルシステムの外販をイメージしているメーカーは少なく、容リ法の完全施行を機に自社開発システムを使った事業化を目指すケースが多い。だが、油化、ガス化ではスケールメリットを追求するうえでの設備投資額の大型化や廃プラスチック確保が課題のひとつに指摘されている。
 プラスチック原材料化でも、リサイクルによって生み出される再商品を使って何を作るかが課題とされ、いわゆる“出口”を含めた循環型社会での仕組み作りが大きなポイントとなる。この再商品の用途や市場性についてはガス化や油化の場合も同様で、廃プラスチックのリサイクルを進めるうえで今後、重要な課題となりそうだ。廃プラスチックのリサイクルは、将来的な技術開発の可能性や汎用的な利用性、再商品化コストなどを十分考慮し、単一の手法に限定せずに可能な限り広範な方法による再商品化を検討する必要があるとされている。しかし、「世界中から関連技術を掻き集めれば、廃プラスチックのリサイクルは何でもできる」との見方があるのも事実だ。その意味では容リ法の狙いを徹底させ、リサイクル品の活用を促進するためには補助金制度の設置も検討する必要があると言えよう。