日本触媒とフランスElf-Atochemとの合弁会社American Acrylがテキサス州Bayportに新規立地として建設するアクリル酸プラント(年産12万トン)・アクリル酸ブチルプラントのEPC契約をParsonsとTechnipのJVが受注した。既にこのプラントのFEEDはこのJVが受注しており、プロジェクトの投資削減に成功したという。アクリル酸プラントは日本触媒の技術と触媒によるもので、できた製品は日本触媒とElf-Atochemが半量ずつ引き取り、日本触媒は高吸水性樹脂の原料として自消、Elf-Atochemは同時に建設するアクリル酸ブチルプラントの原料として自消するほか、外販する。 この契約のスコープには、新規立地におけるプロセス設備・サポート設備・入出荷設備・オフサイト・廃棄物処理設備などが含まれる。アクリル酸は原料として、塗料・粘着剤などとして使用されるアクリル酸エステル、おむつなどの高吸水性樹脂として使われるポリアクリレートに消費されている。両社はアクリル酸の大手メーカーで、日本触媒は日本とインドネシアに、Elf-Atochemはフランスに工場を持っており、今回米国に進出するもの。日本触媒のプロセスは世界のアクリル酸生産の50%を占めるという。 なお、日本には競合するアクリル酸のプロセスとして三菱化学/日揮の開発したプロセスがある。日本触媒は上述した高吸水性樹脂で日米欧三極体制を築くなど、スペシャルティケミカルファインケミカル分野でのグローバル展開を図っており、実績があがっている企業である。 |