EnB ○○号 目次
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■EYE
リスク認識と目的意識詳細へ

■INTERVIEW
JFEエンジニアリング
専務・環境エンジニアリング事業部長 腰原 敏夫氏

■REPORT
TEC、超短納期PJを前倒しで完成詳細へ

エンジニアリング各社の中間決算状況 詳細へ

■FORUM
Q&A

■TOPICS
JFEエンジ、木質バイオマスガス化発電技術導入

環境施設事業拡大を図るテクノフロンティア詳細へ

■GLOBAL Business
・Fluorのマニラオフィス、同社のコア競争能力に詳細へ
・Lindeの第3四半期の業績、利益増
・Washington Groupのイラクプロジェクト、テロで中断詳細へ
・Lockwood Greeneの買収、CH2M Hillが有力

■NEWS FLASH
・ExxonMobil、福建石精・石化プロジェクトから撤退か詳細へ
・川重〜日商岩井、比から石炭火力受注
・三井造船、サイアム三井からPTAプラント受注
・IHI、中国からアルミ圧延用箔ミル受注
・三菱重工、CFEからボイラ発電リハビリ工事受注
・三菱重工、海外発電事業に参画
・三菱重工〜住友商事、韓国向け新交通システム受注
・日立造船、水汚泥処理3件および沈埋函を受注
・三井造船、焼酎粕リサイクル設備受注
・タクマ、荏原製作所のボイラ子会社を取得
・日立製作所グループで冷熱事業を再編
・IHI、創業150年でコーポレートスローガン
・Project News 詳細へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■CONTRACT

最近のプロジェクト受注・契約状況

■エンジニアリング・ダイジェスト


■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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リスク認識と目的意識
 プロジェクトにはリスクがつきもの。それを如何にコントロールし、プロジェクトを成功に導くかはプラントエンジニアリング業界にとって永遠の課題と言える。プロジェクトはそれぞれに全く異なる顔を見せる。その土地や顧客、JVパートナー、サブコン、機器ベンダーなど、その置かれる状況はどれ一つとって見ても同じものはない。そのため、プロジェクトにおけるリスクもそれぞれに異なる。これを如何に認識できるかが成功の一つのポイントとなる。
三重のRDFではRDF自体が発火する可能性を全く予見していなかった。中東のあるプロジェクトでは「前にうまくいったプロジェクトだから大丈夫だろう」という油断が不採算案件につながったという話を聞いたことがある。それに反して、最初から厳しい条件のもとで受注したプロジェクトでは「リスクが大きいことをスタッフ全員が認識していた」ことが成功につながったという。
もう一つは「プロジェクトの遂行を基本に沿って進めること」だという。しかしこれもなかなか難しい。基本に忠実に動かそうとしても状況がそれを許さない場合が多いからだ。そうしたイレギュラーな状況に柔軟に対応し、もとの基本に沿った形に如何に早い段階でキャッチアップしていくかが重要だろう。
実はプラントではないが、かつて極めて小さなプロジェクトに今で言えばプロマネ的な立場で参加したことがある。その際最初に考えたのは、どうやったら失敗するか、ということだった。もっとも論理的にそうしたのではなく、元来気が小さいので、失敗を恐れていただけなのだが。
それでも、予定外の事態は発生する。それを如何に挽回するかだが、そういうときに限ってアイデアは出てくる。何故出てくるのか不思議だったが、今から考えるとアイデアが出るときにはプロジェクトの「目的」を強く意識していたように思う。またスタッフ全員が目的をきちんと意識していれば、各々のスタッフを信頼できた。そういうプロジェクトは間違いない。
さて、イラクへの自衛隊派遣はその目的が明確なのだろうか?
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TEC、超短納期PJを前倒しで完成
 東洋エンジニアリング(TEC)は、アゼルバイジャンで進めていたパイプラインプロジェクトを契約納期を2週間前倒しして今年9月に完成した。当初から超短納期が義務付けられていたこのプロジェクトでの成功要因は「プロジェクト遂行の基本に忠実であったこと」という。
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エンジニアリング各社の中間決算状況
 2004年3月期中間決算では、公共・民間を問わず国内設備投資の減少の影響が大きく反映される結果となった。その中で好調な決算となっている企業はいずれも海外市場での拡大が業績を支えている。発電プラントやごみ焼却炉、橋梁などの分野では国内市場の回復には時間がかかる。ここ数年間は活況を見せている海外市場への展開が業績を左右するポイントとなりそうだ。
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環境施設事業拡大を図るテクノフロンティア
低温域水熱反応式汚泥減容化システムを本格展開へ
東洋エンジニアリング(TEC)の関連会社で、国内環境施設事業を手掛けているテクノフロンティア。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業で、低温域水熱反応型の水処理システムを開発した。浄水場の後処理設備などにこの技術を適用し、事業の拡大を図る。
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Fluorのマニラオフィス、同社のコア競争能力に
 FluorのフィリピンのエンジニアリングセンターはFluorの世界にわたる製油所・化学プラント・エレクトロニクス工場など各種大型プロジェクトに従事している。同センターは基本設計を受けて、詳細デザインを実施するのが主業務であるが、Fluorの他の各部門と協働する拡張部隊であり、世界的エンジニアリングリソースプールの一部となっている。マニラの活用で、10−15%のコスト節減となっており、同センターは同社のコアとなる競争能力を担っている。
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Washington Groupのイラクプロジェクト、テロで中断
 Washington Group Internatinal(WGI)が米陸軍工兵隊から受注したイラク北部の電力改修プロジェクト(既報)のサブコン韓国企業(オム電気)のエンジニアが11月30日襲撃され、2名が死亡した。オム電気はイラクからエンジニアを撤退させ、送電鉄塔工事は中断した。WGIはイラク北部でのプロジェクト再開のため、セキュリティ状況を再評価している。しかし襲撃が道路上であったことから、プロジェクト続行を表明している。
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ExxonMobil、福建石精・石化プロジェクトから撤退か
 CW誌によると、ExxonMobilが、計画中の32億ドル福建石油精製・石化合弁プロジェクトの交渉を中止したという。福建石化のプロジェクトで、ExxonMobil・福建省政府・サウジアラムコ・Sinopecが各25%のシェアを持つ。ExxonMobilはプロジェクトの上流の部分に関心を持ち、収益性の保証を求めて追加条項を主張したと言う。残りのパートナーは、ExxonMobilに再検討の時間の猶予(およそ18ヶ月と考えられている)を与えているという。ExxonMobilが撤退した場合には、サウジアラムコはシェア増の意志はなく、Sinopecと福建省がシェアを37.5%に増加することになっている。
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Project News
・マプタプットEO/EGでScientific Design
・インドで4件のプロジェクト
・サウジGOSP-3でITB
・Al-Jubailαオレフィンで入札再検討
・Al-Jubail石化コンプレックスでFWがコンサル
・QNCCの入札が延期
・米国初のオフショアLNGターミナル計画
・日本製粉が千葉に新工場
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編集後記

○…自衛隊のイラクの派兵が決定した。目的は人道復興支援活動と米英軍への医療・輸送・通信・補給などの安全確保活動。陸自は比較的安全なイラク南部のサマラに駐屯、医療・給水・学校の復旧・整備を実施する。重装備をもっていって防備しながら自ら工事するつもりらしい。しかしこの程度の派遣ならもっと早く行うべきだった。この種の復旧工事はNGOの人々がいうように、NGOが現地イラクの人々とともにすでに取り組んでいる。また米国の資金によるBechtelのプロジェクトも現地のイラク企業や労働力をつかって行われている。なるたけ多くのポーションをイラク人に渡せる体制が果して自衛隊にあるだろうか。
空自はクウェートを拠点にイラク国内に人道復興関連物資を輸送するという。一方で武器・弾薬輸送せずと首相は断言した。米英軍の物資では実現が困難だ。本当にこれを実現するのなら、日本自らの手で人道復興関連物資を管理しなければならない。
イラクのためという視点が日本での論議に欠けているようだ。日本は米国に次ぐ50億ドル拠出を約束した。これを有効に使うために、日本のNGO・民間企業が積極的に関与して、イラク人主体(イラク人に職場を与え、イラク企業を振興する)の復興体制づくりへの協力が必要ではないか。それに自衛隊派遣が必要か否かを論ずべきだろう。

○…最近、英国で発達した「PPP」という言葉が日本でもよく聞かれるようになった。公共事業を遂行する上で民間のノウハウを取り入れる考え方で官民のパートナーシップという意味で使われる。公共サービスを向上させていくために官民の連携を進めるというものだ。アウトソーシング、公設民営、PFIなどを包含する。この「PPP」は日本に定着するのだろうか。
わが国には「官尊民卑」が根強く残っている。公共セクターには民間への不信がある。市民も「民間がやると儲け主義に陥る」と考える人が圧倒的に多い。公共が事業を行う分には「安心だ」と思っている。
確かに日本の官僚は優秀な人材が多い。いくら政治家が官僚の跋扈を排除するといっても、掛け声だけに終わっているように見受ける。行財政改革が遅々として進まないのも道理だ。進んだように見えても既得権益を残す骨抜きの内容になっているのはいくつかの事例が示すとおりだ。
それでも「PPP」が注目されるのはなぜか。財政難が大きな理由であろう。官民対等のパートナーシップなどというのはある意味ではお題目だ。そのうち「日本版PPP」と称して、その精神は骨抜きになるスタイルが主流になるような気がする。国民に残る「官尊民卑」を払拭しない限り真のパートナーシップは確立しない。

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