EnB ○○号 目次
詳細 のマークがついているものは記事の内容がご覧になれます。

 

■EYE
新たな日本的経営の確立を詳細へ

■REPORT
規制に縛られた防災システム詳細へ

市場急拡大したガスエンジン(下)

■FORUM
6,300億円

■TOPICS
プラント配管モデル標準化が加速

三菱電機、上下水道分野で事業拡大図る詳細へ

■GLOBAL Business
・ABB、石油ガス石化(OGP)の上流事業売却暫定合意詳細へ
・Business News
・米国エンジニアリング企業の業績
・イラク復興プロジェクト詳細へ

■NEWS FLASH
・富士電機システム、SiemensとDCS等で協業
・日本的経営の方向示唆したシンポジウム詳細へ
・国内プラント受注状況詳細へ
・タクマ、中国でゴミ焼却プラントを受注
・HI、インドネシアからコンテナクレーンを受注
・三井造船、バイオマスエタノール用膜を輸出
・コスモ石油、GTLから水素製造に成功詳細へ
・清水建設、オマーンで地下水汚染浄化
・山武AAC、カンパニーメッセージを策定
・B-EN-G、ビジネストランザクション管理ツール
・IHIが補剛桁納入の米「カルキネス橋」が完成
・Project News詳細へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■PROCUREMENT NEWS

■エンジニアリング・ダイジェスト


■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

ここに代替テキストを入れて下さい
新たな日本的経営の構築を
 最近たまたま、「日本的経営」について考える機会が重なった。一つはエンジニアリングシンポジウムでのキヤノン・御手洗社長の講演、そしてもう一つは最近頻発している製造業の事故について、某氏とのeメールのやりとりのなかである。
製造業での事故の頻発には、コストダウンによるリストらが影響している。また設備の老朽化や、熟練オペレータの退職、現場での安全意識の低下など複合した要因が考えられる。しかし、そうしたものを産み出した背景として、米国式の経営評価を無批判に導入してきたことが問題を産み出しているのではないか。過去数年間、企業評価の主要な指標の一つが、どれぐらい人員削減を行ったか、ということがあった。当然の評価ではあるが、それがあまりに続くと、人員削減しなければならなくなっていく。また、今年から本格的に4半期決算が導入されたが、業態によっては不合理だ。社外取締役、カンパニー制、持株会社制など、企業経営の新手法はいずれも米国式を導入してきた。評価手法も、ROEだのキャッシュフローだの色々とバラエティに富んできている。
キヤノンの御手洗社長は日米文化の違いについて述べた。「米国はルールとレギュレーションで動く。役員も社外からいきなり入ってくる。その信用をチェックするために社外取締役などの制度が必要になったのであり、米国式経営は必然的に産み出された。これに対して日本は長期雇用制度のなかで役員となる人の信用は社内の長年の経歴でチェックできる。社外取締役など必要ない」と述べられた。いたずらに米国式経営や企業評価手法を無批判に導入しても日本企業を正しく評価することはできない。
グローバリゼーションについても、その言葉だけを捉えれば決して批判されるものではないが、それが「米国流の押し付け」という側面もあるだろう。「海外展開は文化輸出である」という話もあるが、それでは文化競争となる。競争に負けた文化は無意味なものとなるのだろうか。
「グローバリゼーションは既に世界の潮流であり、それに逆らうことは出来ない。ならばその流れにのりつつ、日本的な大事なものは守るという、日本的経営の新たな潮流を作らなければならない」。某氏のメールはそう結論していた。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
規制に縛られた防災システム
「安全はペイする」意識が必要−FEPC・加藤社長−
ブリジストン黒磯工場、そして出光興産北海道製油所で相次いで発生した大規模工場火災。その原因はそれぞれに異なるが、いずれも国内法に基づいた消防設備ではまったく対応することが出来なかった。「国内法の規定を遵守していれば安全というわけではない」と、日本唯一の防消火設備エンジニアリング会社であるFPEC代表取締役・加藤義幸社長は語る。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
三菱電機、上下水道分野で事業拡大図る

総合ソリューション展開を目指す
三菱電機は、上下水道分野で総合ソリューション展開を目指す。電機分野だけでなく、機械・建設分野まで含めた幅広い視点で、広域化対応や民間委託、維持管理から省エネ・環境対応、危機管理まで各種のシステムを提案していく。
ニーズは総合ソリューション
上下水道では、一部を残して建設フェーズがほぼ終了し、質の向上やコスト削減が求められるようになっている。加えて、市町村合併、民間委託の進展、水質基準の向上、環境負荷低減など、事業環境が大きく変化している。
その変化にともなう課題として、まず市町村合併の加速によって、水供給事業の末端給水の統合や汚泥処理施設統合など広域化・統合化・無人化が議論されている。また、来年4月から施行される水質基準改正では、カビ臭・脱色対策でのオゾン処理に普及に伴う臭素酸生成など新たな副生物質問題、クリプト対策、環境ホルモン対策強化などが課題となっている。下水道事業でも、第五次水質総量規制により、3大湾への窒素・リンなど放流水質の把握と下水高度処理が求められている。
経営環境としては、人口減少に伴う事業収入の減少、技術者の確保が困難になるなどの課題がある。ライフサイクルコストの低減が求められており、その中で事業の第三者委託や民間委託で様々な動きがある。
公営企業としての責務の面では、リサイクルや省エネなど環境対応が課題。また、災害や浄水場への毒物混入など危機管理への要求も高まっている。
技術面では、ITの高度化、2007年予定の準天頂衛星による広域位置情報サービスの利用も可能なり、ユビキタス監視の実現が身近となっている。
これらの様々な課題に直面している上下水道分野では、総合ソリューションが求められている。

最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
ABB、石油ガス石化(OGP)の上流事業売却暫定合意
 待ち望んでいたOGP事業の売却が前進した。アップストリーム事業を、9.25〜9.75億ドルで、既報したJ.P.Morganリーダーのコンソシアムに売却する仮契約に調印した。しかし、ここにきて西アフリカにおけるOGP事業の不正が発覚した。これが上記事業売却の延期あるいは失敗の可能性もでてきた。予定の年末までのOGP事業売却は望めないが、ABBは新株発行など42.5億ドルの資金調達を計画、事業売却に時間の余裕ができている。
最新号目次へ

 

イラク復興プロジェクト
米国イラク復興追加資金決定
10月24−25日スペインで開催されたイラク復興支援国会議では、参加国と国際機関は、日本が米国につぐ50億ドルを拠出するなど総額330億ドルの資金の拠出を表明した。世銀の見積り550億ドルには及ばなかったが、イラクの石油収入を考慮すれば評価できるという。この資金は世銀と国連が共同で管理する信託基金をつくって管理する。ただし米国資金は従来どおり米国が管理する。
ブッシュ大統領が議会に提出した緊急軍事・復興経費870億ドルは、議会側のイラク復興経費の一部借款への切替などの動きを漸く説得し、全額経費として両院を通過、大統領の承認で発効した。ブッシュ政権ないしイラク復興当局はイラクへの債権放棄をイラク復興の必要条件と見ており国際的に次の大きな課題となっている。
イラクの復興経費は186億ドル、うちインフラに131億ドル、約20の建設契約となる。新たにイラクインフラ復興事務所を設置、調達プロセスを管理する。前海軍施設本部長Nash退役提督が長となる。主要分野別には電力:55億ドル、水資源・下水道:43億ドル、石油インフラ:12億ドル、刑務所・施設警備・地雷除去:7.59億ドル、病院・医療施設:4.93億ドル、空港・鉄道・通信:4.25億ドル、道路・橋梁・公共建物:3.7億ドル。

石油復興プロジェクト正式契約、規模倍増
現在KBRに与えられる契約にかわる2つの正式契約は略奪と破壊活動による損害を再評価して従来の合計10億ドル規模から20億ドルに倍増、契約決定を2ヶ月延長して12月後半とした。既報のように南北油田2つの契約となっている。両契約ともIndefinite Delivery Indefinite Quantuty(IDIQ)のコストプラスフィーの24ヶ月契約であり、最大3年のオプションがついている。元来は各最高5億ドルの規模であったが、南部油田が損傷がひどく、最高限度額12億ドルとする。北部油田は8億ドルとする。仕事の内容は変らず、量が増えたことになる。内容はイラク石油復興に関するほとんど全ての仕事だ。資金源は上述米国資金・国際資金・イラク石油収入・イラク没収資産だ。応札企業は条件変更に伴い、再入札している。応札企業にはFluor、Noble(アップストリーム)、Parsons、Shaw Group、Foster Wheelerが挙げられている。
前号で報じたKBRのイラク輸入石油製品価格が高額という非難に対処すべく、陸軍工兵隊が輸入石油製品ジョブをKBRから国防省の機関へ移管する検討を開始した。候補は国防エネルギー支援センターだ。この仕事は短期的なものとして、KBRの石油復興プロジェクトの一部とされたものだが、長期の仕事として移管することになる。

最新号目次へ

ここに代替テキストを入れて下さい
日本的経営の方向示唆したシンポジウム
 11月6日から2日間にわたり行われたエンジニアリングシンポジウム2003は、当初予定した750名を上回る参加者を得て盛況裡に幕を閉じた。
初日のキヤノン・御手洗社長の講演は「変化は進歩」というテーマで行われた。御手洗社長は講演の中で「経営の真髄は“合理主義”」であり、会社の目標を「利益を出すことであり、事業はその手段に過ぎない」と言い切った。また技術を重視しておりこれまで一貫して自分の技術で常に新たな事業を展開してきた。しかし多角化のために導入した事業部制が制度疲労を起こし、連結で8500億円の借金を抱えることになった。そこで全体最適化と利益追求への意識改革を実施。連結決算の導入により製販分離の弊害を解消。評価を変えるだけで会社は変わることを示した。また、不採算事業からの撤退を断行。従業員からの批判もあったが、「批判の無いものは“再生”か“改良”であり“改革”ではない」。最終的には従業員自身も納得する形となったという。そこにはキヤノン創立以来の人間尊重の精神が生きており、「帰属意識はコアコンピタンス」とし「日本の会社の役員は長期間会社のなかで信用をチェックされてきた。ルールとチェックで動く米国式経営は必要ない」と米国式経営をいたずらに導入することに異論を唱えるなど、参加者にとって示唆の富む講演内容となった。
また、パネルディスカッションは「エンジニアリング産業に活を入れる−動こう!未来へ」というテーマで、小宮山東大副学長をコーディネーター、鹿島の岡本専務・千代田化工建設の関社長、三井物産の永田電機・プラントプロジェクト本部長、三菱重工の柘植技術本部長をパネリストとして実施された。日本の閉塞状況を抜け出すキイとして日本の技術力に着目したのは、小宮山副学長と柘植本部長だ。小宮山副学長は専門のケミカルエンジニアリングでの最近の進展を例として、技術的ポートフォリオの結合を指摘、潜在的エンジニアリングのニーズはかつてなく高まっているという。柘植本部長は、同じく専門の機械システムを取り上げる。日本の得意とする「すり合わせ技術」、日本の物つくりテクノゲノムを指摘する。残る3氏は自社または自社の属する産業の将来展望を披露した。岡本専務は総合建設業の事業領域の拡大・事業分野の拡大を指摘する。事業領域の拡大は、設計施工からLCM(企画・計画・設計・施工・運営管理)あるいはコアCM→PM→P2Mを述べる。関社長は事業領域としてはEPCからPLE(プラントライフサイクルエンジニアリング)へ、事業分野としてはLNGから天然ガスバリューチェーンを述べる。永田本部長はグローバルアイの重要性を指摘した。
最新号目次へ

 

国内プラント受注状況
・IHI、臨床試験用薬施設を受注
・三菱重工、東京23区中防灰溶融炉受注
・神奈川排水処理PFIで月島JVが落札
最新号目次へ

 

コスモ石油、GTLから水素製造に成功
 コスモ石油は、石油公団の勇払GTLパイロットプラントにおいて、同社が開発したGTL合成触媒を用いて製造したGTL油を原料として、JHFC横浜・大黒水素ステーションで、燃料電池自動車用水素の製造に、国内で初めて成功した。
同社では、燃料電池自動車用水素の原料としてのGTL油は、水素製造時の環境負荷低減が可能である点に着目し、実証施設である水素ステーションにおいて水素製造確認試験を行ったもの。その結果、GTL油は、現在、水素ステーションの原料としている脱硫ガソリンと全く同様に、問題なく水素製造ができることを確認した。
これまで、GTL油は、ディーゼル車で用いられている軽油や、家庭用暖房で用いられている灯油の代替燃料としての用途が検討されていたが、今回の結果から、燃料電池自動車用水素の原料としての用途も有望であることがわかったとしている。
コスモ石油は次世代クリーン燃料の実現を目指し、石油公団のGTL技術開発プロジェクトで、ルテニウム金属を主成分とする新たなGTL合成触媒の開発を担当。GTL油合成触媒の更なる改良を行うととともに、GTL油の商品化研究も行っている。またJHFC横浜・大黒ステーションにも参画している。
最新号目次へ

 

Project News
・上海石化、新規MEGプラントを建設へ
・CNOOC、DME/メタノールプラントを計画
・カタールのエチレンPJ入札へ
・カタール・セメントプロジェクトが入札へ
・イランKargNGL、川重と日揮の競合
・AramcoのエタンクラッカーPJで出資者をSL
・サウジ・リヤドPP9拡張PJで来年にも入札へ
・エジプトで新規発電プラント商談
・武田薬品、山口に新工場
・西秋川衛生組合、ガス化溶融炉を計画
最新号目次へ

ここに代替テキストを入れて下さい
編集後記
○…評論家の大濱裕氏が少子高齢化を問題視する昨今の支配的論調に異論を唱え、とくに労働力や年金財源不足を移民や外国人労働者で穴埋めする構想を論難している(新潮45 11月号、ならびにVoice昨年1月号) その主旨は先進国は軒並み少子化であり、日本の少子化は先進国の中程度にすぎない、経済発展が目覚しい途上国・移行経済圏でも少子化は顕著であること、人口減少もすでに欧州のいくつかの国で始まっていることを統計をもって提示し、いずれの国も狼狽していないという。
移民や外国人労働者の受入れは目先を凌ぐことにすぎず、将来彼らも高齢化、本質的な解決策にならないという。かわって高齢者とくに65歳から74歳のヤングオールドと女性の活用を説く。高い技術と経験を有する前者、世界トップクラスの知的水準と勤労意識を持つ後者、これらは日本の良質な労働力ストックであり、女性と高齢者の社会進出を実現する制度・仕組み・労働支援技術があれば膨大な人的資源の活用が可能であり、労働力不足は問題でなく、年金負担も軽減されるという。
大濱氏の主張はそのとおりだ。ただし問題は高年労働者の雇用が、若年労働者の雇用の阻害になってはならないという点だ。高年労働者・若年労働者・女性労働者のベストミックスが制度的に必要なのだ。

○…「エンジニアリング・ダイジェスト」欄を担当していて最近気が重い。なぜかといえば、ダイジェスト対象の経済紙からプラント・エンジニアリング関連の記事を選択するのに苦慮しているからだ。15日毎に日経新聞、日経産業新聞、日刊工業新聞、日本工業新聞の4紙に掲載された関連記事をピックアップしているのだが、兎に角、対象絶対数が少ない。以前は、「これも載せたい。あれも」という状況が続いた。1ページ分を構成する18項目を取捨選択する際に、貴重な記事のいくつかを捨ててしまったことも少なくなかった。
ところが、今年になってプラント・エンジニアリング関連企業の動向報道が激減しているような気がする。たとえ、掲載されていたとしても、ニュースとしての迫力に乏しいような気がする。さらに、同一企業の記事が多いことも気になっている。多分、当該企業の情報発信が多いことと、記事に出来る業務活動が多いことが影響してるのかもしれない。はたまた、取材しやすい企業体質(取材活動に比較的オープン)の企業に偏るのか?
これに対して、エンジニアリング企業の記事が極端に少ない。受注成果ばかりが情報ではない。記者の取材活動不足もあるのか?はたまた、その企業動向は報道の価値がないと判断しているのか?疑問は解けない。
最新号目次へ

Copyright (C) 2002 ENGINEERING JOURNAL CO,.LTD. All Rights Reserved.