EnB ○○号 目次
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■EYE
柔軟な対応でプラント輸出詳細へ

■REPORT
市場急拡大したガスエンジン(上)詳細へ

■INTERVIEW
エンジニアリング産業の展望を問い直す
エンジニアリングシンポジウム実行委員長
原嶋孝一氏に聞く

■TOPICS
建設ソリューション市場、5年で3倍に詳細へ

新潟原動機、MGTでVOCを処理

日立造船、スラリーアイスで食品市場を開拓


■GLOBAL Business
・フランス検察、Nigeria LNGの不正を捜査詳細へ
・Halliburton、イラクの輸入石油製品価格でバッシング
・GE、成長分野を対象に積極的に企業買収
・CB&I、John BrownをYukosから取得
・Business News詳細へ


■NEWS FLASH
・新日鉄、サハリンU向けローディング設備
・日商岩井、南アから電車駆動装置更新を受注
・IHI、台湾からサイジングプレス
・三菱重工、ガス化溶融炉を初受注詳細へ
・日立造船、城南衛生管理組合から正式受注
・山武、プラントメンテナンス優秀製品賞受賞
・丸紅、サイスのアジアIPP事業を引き取り
・燃料電池、2020年に3,500億円市場に−富士経済予測
・JBIC、第2四半期業務概況
・Project News詳細へ


■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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柔軟な対応でプラント輸出
 中国の発電プロジェクトやサハリンプロジェクトで日本企業の受注が続いているが、この両国に対しては通常のプラント機器輸出とはちょっと異なる形が定着してきている。
サハリンプロジェクトでは、ロシアンコンテンツの条件をクリアしなければならない。そのため、パイプライン用鋼管や通信システムの受注では、主契約者となる会社を日本側とロシア企業との合弁で設立する形を取っている。そして、製造の一部をこの会社で行い、納入する。ロシアでの雇用確保と技術移転への要望が、この形を作り上げた。
中国の発電プロジェクトでは、従来から60万kWまでの石炭火力ならば中国国内で作れるようになっている。しかしそれも亜臨界圧の蒸気条件のものまでであり、それ以上の超臨界圧条件となると、日本や欧米に発注せざるを得なかった。最近ではより効率の高い超臨界圧の計画が増えているが、直接外国企業に発注するのではなく、中国メーカーが受注し、技術的に難しい部分だけを“下請け”として発注するようになってきている。中国は、自国の企業への技術移転による産業力強化を図ってきているが、最近では国家による育成政策というよりも、中国企業が既に力を付け、安心して発注できるまでになったということのようだ。
海外のプラントプロジェクトは、特に大型の案件でターンキーベースが多い。それはプロジェクトの大きさに対して、それを請け負う力のある自国企業がいないためだ。だがプラント建設が繰り返されていけばいずれは自国企業が育っていく。中国はまさにそうなってきた。特に、機械そのものがコアとなるプラントではその傾向が強い。従って、フルターンキー案件はいずれ減少することになる。
メーカーとしては別にそれで構わない。コアとなる技術を保有し、世界の最先端技術を追い続けている限り、メーカーはコア技術・ノウハウを輸出すればいいのであって、必ずしもフルターンキーに拘る必要はない。むしろ、フルターンキーのリスクがなくなるということからすれば歓迎すべきだろう。プラント輸出は、頭を柔らかくして対応していく時代となった。
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市場急拡大したガスエンジン
 ガスエンジンの売れ行きが好調だ。主要メーカーでは10月までに既に昨年度を超える受注件数を積み上げており、今年度末には前年度比2倍の受注が見込まれているほどの勢いで、同クラスのガスタービンを凌駕しつつある。
高効率エンジンが市場を開拓
数年前まで、コージェネレーションの市場はガスタービンとディーゼルエンジンが主流であり、ガスエンジンは殆どがガス会社などが政策的にフィールドテストなどの名目で導入するだけであった。コージェネレーションシステムとして見ると、ガスタービンは単体での発電効率はディーゼルに対して低いものの、排熱が高温であるため、蒸気をプロセスで使用するユーザーが中心に拡大している。またディーゼルエンジンは単体効率が40%以上と高いことと、重油など安価な燃料を使用できるため、ランニングコスト面でも有利となり、電気使用量の多いユーザーを中心とした形であった。
それに対してガスエンジンは、ディーゼルエンジンとほぼ構造は同じであるが、電気着火力が弱く運転が安定せず、そのため圧力を高くすることができずに、結果的に失火することがあった。またプラグの寿命が短く、その交換が定期的に必要であるなど、メンテナンス面でも不利であった。
何より、当時のガスエンジンは発電効率が40%以下と低く、燃料がガスのため燃料費も高くつくという難点があった。それがこれまで普及してこなかった理由である。さらに、電力会社が一斉に産業用電力料金を引き下げしたことで、コージェネレーションの市場自体が収縮してしまっていた。
それがここにきて、急速にガスエンジンの販売が伸びている。特に今年度になってからの売れ行きは好調であり、既に主要各メーカーとも昨年度通年の販売台数をクリア。さらに受注が積み上がっていく勢いだ。今年度トータルでは、昨年度の2倍かそれ以上の受注を、各社とも見込んでいる。明らかに、市場の風向きが変わったのである。
その切っ掛けを作ったのが、高効率型ガスエンジンの登場だ。三菱重工業が開発した“MACH-30G”エンジンは、ガスエンジンとしては初めて、発電効率40%を超え、42.5%の効率を達成した。続いて新潟鉄工(現・新潟原動機)も同等の効率のガスエンジン“AGシリーズ”を開発。さらに日立造船が提携しているフィンランド・バルチラ社の“SGシリーズ”は発電効率が44%と世界最高を達成し、国内市場への展開を開始している。
これら、高効率ガスエンジンが登場したことににより、環境特性の高いガスを燃料とした、電気比率の高い自家発電・コージェネシステムが可能となり、需要を生み出してきたことが大きい。逆にガスタービンは、すでに蒸気を多用するユーザーには行き渡ったこともあって、需要は伸び悩んでいる。むしろ高効率ガスエンジンが、同クラスのガスタービンを凌駕しているような状況だ。
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建設ソリューション、5年で3倍に
富士経済がファシリティサービス市場を調査
富士経済はこのほど、2003年版ファシリティーサービス市場の将来動向調査をまとめた。それによると、同市場は2005年度までに微増程度で推移するものの、ソリューションサービスについては5年間で約3.2倍に拡大するという。従来の単なる役務提供から、高付加価値型へと同市場は急速に移行しつつある
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フランス検察、Nigeria LNGの不正を捜査
 フランスの検察庁がNigeria LNGプラントに関わる不正に関してフランスのTechnipと米国のHalliburtonについて、正式の法的審理を開始する。この捜査は97年に米国を含む37国が調印した国境を越えた不正に対する国際協定の一部として導入された法律のフランスにおける最初の事例だ。TechnipとKBRが共同して90年代においてNigeriaの大型ガス契約に関して、2億ドル以上の不法なコミッションを支払ったという疑惑だ。
国際協定はOECDの主導によるもので、外国政府の有利な扱いを企業が買うことを防ぐのを目的とする。協定に調印した諸国の警察は世界中の公務員に対するあらゆる種類の賄賂を提供した嫌疑のある企業を捜査できる。
Nigeria LNGプラントは上記2社と日揮・イタリアのSnamprogettiのコンソシアムTSKJが実施したものだが、フランス捜査当局によると、TSKJのリーダーであるKBRは少なくとも1.8億ドルのコミッションを支払い、その大半を海外口座に送金、最終的にはナイジェリア公務員の懐に入ったという疑惑だ。
Nigeriaの疑惑はフランス政界を揺るがしたElf Aquitaineのスキャンダルの長期にわたった捜査の過程で、別箇の事件としてでてきたものという。またKBRはこのプロジェクトですでに別のトラブルが生じている。税金で有利な扱いを受けるため、Nigeriaの税務官吏に240万ドルの賄賂を贈ったことで、起訴されたことを5月に明らかにした。関係した従業員を解雇したが、上部組織は全く関係していないと強調している。
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Business News
・J.A.Jonesの主事業に買手企業
・ABB、年末までのOGP事業売却に赤信号
・Linde、赤字の冷凍事業売却の方針
・Aker Kvaerner、極東でPTAプラント2基受注
・SiemensによるAlstom救済は可能か
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三菱重工、ガス化溶融炉を初受注
 三菱重工業は、釧路広域連合から240t/d(120t/d×2基)の流動床式ガス化溶融炉を受注した。三菱重工がガス化溶融炉を受注するのはこれが初めて。受注額は45億円。2006年3月31日に引渡しの予定。
受注した設備は、流動床式ガス化炉、溶融炉、発電設備、排ガス処理などで構成されるプラント。長年にわたり稼動実績のある流動床式ごみ焼却炉、下水汚泥焼却炉、石炭ガス化炉などで培った要素技術をベースに開発した信頼性の高い施設となっている。
溶融後に発生するスラグは、リサイクルする予定で、現在、用途の検討中。また溶融炉の排ガスを利用してボイラー、蒸気タービンにより発電するサーマルリサイクルも行う。出力は4000kW級で、施設で使用する電力を賄う。
建設地は釧路市街から南東へおよそ10kmの釧路市高山地区で、現在の最終処分場の隣接地。建設地周辺は地震の多発地。当社が大阪、神戸地区に建設したごみ処理施設は、阪神・淡路大震災の際も大きな被害がなく廃棄物の処理を続け、その高い耐震性、安全性が評価されたとしている。今回も特に耐震性に十分配慮し、建設を進める。
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Project News
・QP、GTLとLNGでメジャーと合意
・サウジ・HaradhのGOSP-3でPQ
・SABICが新EGプラントを計画
・イラク、ハスラ火力発電改修で無償資金
・名古屋・鳴海工場PFIで実施方針
・東京・府中市の粗大ごみ処理来年4月発注へ
・埼玉・浄水場PFIで実施方針
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編集後記
○…中坊弁護士が突然弁護士免許を返上した。社長であった旧住管機構の詐欺事件の責任を取った形となっている。事件は旧住専の大口債務者をめぐる債権回収において住管機構が他の債務者(銀行・生命)を騙して多額の債権回収を図ったもので、民事では和解したものの、刑事告発がなされ、詐欺容疑の捜査が開始されたという。住管は中坊氏の了解と指示のもとに行った=積極的な関与が疑われている。中坊氏は森永砒素ミルク・豊田商事・豊島産廃事件などで赫々たる成果をあげた。国民のために正義を戦い取る弁護士として象徴的存在であった。なぜ正義の人がきわめて不名誉な引き際に追い込まれたのだろうか。
住管機構は96年多くの国民の反対を押し切って財政資金6850億円を導入して実施された住専処理にともない、住専の債権を譲り受け回収する機関だ。中坊社長のもと、税金投入ということから強力な債権回収と関係者の責任追及が行われた。こうすることが国民の正義の実現ということと見たのであろうか。住管機構は債権回収という経済行為とともに、当事者を含めて多くの国民が暗黙の検察機構という錯覚におちいっていたのではなかろうか。住管機構は99年に整理回収銀行と合併して現在の整理回収機構となる。企業再生機能などが加わり、不良債権処理の機関であることが明確となった。中坊氏の場合、正義の人が本来正義より経済機能が優先さるべき機関の長となったことの悲劇といえるのではなかろうか。国民にとっての正義を実現する有為の人材を失ってしまった。

○…還暦をむかえ頑固になったのだろうか。世の中やたらと気に入らないことが増えた。
まず朝、新聞、テレビをみるとやたらとわけの分らない事件が頻発している。想像を絶する事件があとからあとから出てくる。テレビでは、レポーターとやらが「我こそは正義」という顔をして事件を追いかけまわす。コメンテータと称する数人がしたり顔で解説を加える。その事件も数ヶ月の命。甚だしくは数週間で消えていく。しかし、タネは尽きないから話題には困らない。
だからしょうがない、テレビを消して会社にでも行くしかない。通勤電車の中でも、これまた気に障ることが多い。傍若無人に席を大きく陣取る若者、大声で理解できない言語で会話する女学生、込み合う電車の座席で鏡とにらめっこしながら化粧にふける女性などなど。当然、車内の雰囲気は険悪で乗客は一様に不機嫌だ。老人、身障者へのいたわり、座席をゆずる行為などはとんと見かけない。これが通勤時だけかというと、そうでもない。周りの人に配慮するという行為そのものを知らないとしか思えない。これが若者だけかというとそうでもない。
ますます世の中おかしくなっていないか。仕方がないから山奥の温泉にでも浸ってみたいと思っているが先立つものがない。年をとると愚痴っぽくなるのかも知れない。

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