EnB 16号 目次
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■EYE
プラントメーカーのRC詳細へ

■REPORT
ごみ処理プラント事業に展望はあるか(上)詳細へ

エネ庁、エネルギー環境対策を強化


■FORUM
18年振り

■TOPICS
NIRA、北東アジアの環境・エネルギー問題で提言詳細へ

JFE、ペットボトル資源化処理事業を開始

日本総研、ESPビジネス会社を設立詳細へ

■GLOBAL Business
・2002年の世界エンジニアリング企業、
売上ベースでは好調詳細へ

■NEWS FLASH
・三菱重工、発電プラント相次ぎ受注詳細へ
・サハリンU向け受注が活発
・日商岩井、バーレーン向け電力設備受注
・旭化成、台湾向け食塩電解設備受注
・月島機械、バイオプラスチック実証プラントを受注
・02年度エンジ産業、海外受注が大幅増
・住化、千代田など、NEDOから省エネ研究を受託
・地球環境・プラント活性化で15年度採択案件
・JPEC、特別協賛会員募集/FE試験の受付開始詳細へ
・荏原と東邦ガス、PEFCコージェネで共同開発
・日造など4社、簡易な油汚染土壌洗浄工法を開発
・Project News詳細へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データファイル

■エンジニアリング・ダイジェスト


■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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プラントメーカーのRC
 三重のRDF発電の事故では、三重県庁、企業局、富士電機への家宅捜索が行われている。同時に原因究明作業も進められている。その中で、同プラントにRDFを供給していた二つのRDF製造設備(海山町および御浜町)で成形されたRDFが他の施設のものに比べて格段にもろい、というデータが示されたという。これが事故の原因とは特定されていないが、少なくとも搬入されたRDFの性状に大きなバラつきがあったことは判明した。また、福山のRDF発電設備での火災事故では、炉の安全基準を超えてRDFとコークスが投入されていたことなど、プラント側の異常があったことも分かっている。その原因についてはまだ不明だが、いずれにしても技術的な面で問題があるのならば、それは技術の改良で対処できるし、技術としても進展していくことができる。
だが、ごみ処理に対しては単に技術の問題として納めることが難しい。今回の事故に対してグリーンピースは三重県に対して「ごみ発電施設の見直しより、ごみ政策の見直しを」とする要望書を出した。主旨は「RDF発電施設はごみの問題を解決しない」「(ごみには何が含まれているかわからないため)環境汚染が進み、周辺住民の理解も得られない」「資源の無駄遣いを推進してしまう」「施設が高額である」とし、三重県および各市町村に対して「ゼロ・ウェイスト政策」の採用を提案する、というものだ。
一々反論はしないが、問題なのは「焼却がいかん」という環境保護の考え方だ。フィリピンではそのため焼却炉の建設すらできない。焼却をせずに「ゼロ・ウェイスト」でごみ問題が解決するとはとても思えないが、今回の一連の事故でそうした意識が高まりつつあるように感じられてならない。
化学業界では「レシポンシブル・ケア」活動の歴史があり、それは一定の成果を上げてきた。現在、ごみ処理プラントメーカーの印象は悪化している。プラントメーカーでも運営委託が増加しつつある今、RC活動のようなものが必要になっているのではないか。
とはいえ、メーカーと冷静に対話できる団体はあまり多くなさそうだ。やはり無理な話なのか。
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ごみ処理プラント事業に展望はあるか(上)
 ごみ処理プラント事業はかつて、景気の影響を受けず安定した成長の見込める事業と見られていた。しかしガス化溶融炉の登場にともなうプレイヤーの急速な増加と競合の激化。ダイオキシン対策の反動による極端な市場の縮小。さらに相次ぐ事故、世界的な「反焼却」の動きなど、その現状は厳しい。さらに今後は処理量の減少も予測されている。この業界に展望はあるのか。
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NIRA、北東アジアの環境・エネルギー問題で提言
CDM、天然ガスパイプラインで協力体制を
総合研究開発機構(NIRA)は「北東アジアの環境配慮型エネルギー利用へ向けた提言 −環境先進地域を目指して−」を公表した。この地域はエネルギーの大消費地であると同時に、環境汚染物質も大量に排出しており、エネルギー起源の環境問題の解決が重要な課題。一方で同地域は、補完的に協力しながらこの問題を解決できる可能性があるとして、地域内各国の協力の必要性を述べている。
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日本総研、ESPビジネス会社を設立
「イーキュービック」年商40億円目指す
日本総合研究所・創発戦略センターはエネルギー利用の適正化を支援するベンチャー企業「イーキュービック」を設立した。2001年度から進めてきたESPコンソーシアム活動の成果を元に事業会社を立ち上げたもので、設立10年後には年商40億円の達成を目指していく。
日本総研が中心となって活動を続けてきたESP(エナジー・サービス・プロバイダー)コンソーシアムは、国内の民生分野におけるエルギー利用を最適化するためのサービス事業の成立可能性を調査するとともに、実際に事業会社を立ち上げることを当初から目指していた。昨年4月からは実際に事業会社設立に向けた事業化計画の検討のためコンソーシアム内にESP事業会社設立準備会を立上げていたが、19の事業会社、ベンチャーキャピタル4社などの出資を受けて事業会社の設立に至ったもの。資本金は約2億円。代表取締役社長にはESPコンソーシアムの舵取りを務めていた日本総研・創発戦略センター上席主任研究員の岩崎友彦氏が就任した。また取締役に同センター長・井熊均氏をはじめ4名、監査役には東京農工大学大学院の柏木孝夫教授も名を連ねている。
株主となった事業会社には、出光興産、荏原製作所、大崎電気工業、清水建設、省電舎、タクマ、トピー工業、富士電機、三菱電機などがある。
事業の内容は、顧客のエネルギー使用状況をモニタリングし、無駄なエネルギー使用を排除することで、エネルギーコストの削減を図るというもの。これまでのコンソーシアムでの調査活動の結果、照明や空調、生産設備などを中心におよそ10〜20%の電力が無駄に使われているという。具体的にはモニタリングにより、主要機器の電力消費を管理し、設備などの利用方法を工夫して無駄を省く、さらに旧式設備を高効率のものに更新し、燃料・電力調達費を適正化する。
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2002年の世界エンジニアリング企業、売上ベースでは好調
 ENR誌恒例の世界のデザンファームとコントラクターの2003年ランキングが発表された。2002年の世界エンジニアリング企業は売上高の面では極めて好調であった。海外コントラクト売上高は2001年の1065億ドルの9.4%増の1165億ドル、国内も3.2%増、合計で5.1%増であった。海外デザイン売上高は2001年の178億ドルから7.4%増の189億ドルとなった。国内も6.0%増、合計で6.5%増となった。しかし、コントラクトの受注高は海外が1.5%増、国内は1.1%減、合計で0.3%減と、2002年の環境悪化を示している。(表1)
デザインファームとコントラクター双方ランキングとも各社の本社所在国以外から売上高に基づくInternationalランキングと全売上高に基づくGlobalランキングが発表されている。売上高によるランキングのため、必ずしも景況をあらわすものとはなっていない。デザインファームのランキングのベースとなるデザイン売上高には、EPCを含むデザインビルドのデザイン部分(EPCのEポーション)も含むことになっている(ただし、この基準が守られていないケースが見受けられる)
リスクに曝された2002年
エンジニアリング業界・建設業界にとって、国際市場は常に「両刃の剣」であった。国内市場・地域市場の変動のクッションとしての新しいチャンスを提供する一方で、不安定で、財政的・地政学的なリスクもまた提供する。2002年はそのリスクが発現した年であった。資金面では、保険費用の増大によるコスト増、石油価格の不安定によるプロジェクトの遅延などがあった。地政学的にはテロリズムとの戦いがあった。アフガニスタンへの軍事行動、そしてイラクへの戦争への傾斜は投資計画の再考の原因となり、3月の戦争開始まで不安は高まる一方であった。さらにSARS危機は一部に建設計画の停止を呼び起こした。これらの危機の影響は2003年の8ヶ月でようやく正常に戻ったという。
2002年の国際売上高の市場別動向をみると(表2)、コントラクトとデザインで若干の差があるが、合計でみると製造業など一部を除いて増加となった。
また、地域別動向をみると(表3)、カナダ・中南米を除くと、増加となった。しかしアジア・大洋州は合計で微増(コントラクト3.2%増、デザイン10%減)で、回復していない。
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三菱重工、発電プラント相次ぎ受注
 三菱重工業の発電設備の受注が相次いでいる。スペイン・カルタヘナから大型コンバインドサイクル発電を受注したほか、ブラジル、ニュージランド向けでもタービン発電機を受注した。
スペイン・カルタヘナ向け複合火力はニチメンおよび三菱商事との共同受注。米AESから受注したもので、AESによる資金調達が完了したことで契約発効となった。プラントは総出力120万kWでスペイン最大規模。三菱重工業がガスタービン3基および蒸気タービン3基、排熱回収ボイラ3缶を納入。発電機は三菱電機が製造する。その他のプラント補機類および据付・土建工事はスペインのエンジニアリング会社イニテックが担当する。プラント全体の価格はおよそ700億円、このうち三菱重工の受注分は500億円弱。2005年11月に運転開始の予定。スペイン向けで重工は、72年から発電設備を供給しており、昨年8月にはエンデサ向け、今年6月にはエレクトラベルから計3基のガスタービンを相次ぎ受注。スペインの発電設備の15%を三菱重工が設置している。
なお、同プロジェクトで三菱重工業は、長期メンテナンス契約も結んでおり、運転開始後最大8年間にわたりガスタービンの保守・補修を行う。またこのプロジェクトはスペインで欧州以外の企業がオペレータとなる初の発電事業としても注目されている。
ブラジル向けの案件は、同国の製紙会社ベラセル社から受注したもの。製紙工場の電力を供給するもので出力12万6,000kWの蒸気タービン・発電プラント。三菱重工は土建・据付込みのターンキーで受注した。製紙工場の自家発電設備としては世界最大級。ベラセル社は北欧系の製紙会社とブラジルの製紙会社との合弁会社であり、これまで欧州メーカーとの関係が強かっただけに、同社のプロジェクトを初めて日系企業が受注したということも注目される。完成は2005年5月の予定。
ニュージーランド向けではモカイU地熱発電向けに地熱タービンを受注した。出力は1万9,000kW。契約は機器単体供給と現地への指導員の派遣。2005年6月に引渡しを行う。客先はイスラエルのオーマット。同社からはケニア・オルカリアV地熱発電所向けタービンの発注内示も受けており、プロジェクト・ファイナンス・スキームの構築が完了次第、正式に契約する見通しとなっている。
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JPEC、特別協賛会員募集/FE試験の受付開始
 日本PE・FE試験協議会(JPEC)は、来年度春のFE試験の受付を開始した。また、新たに特別協賛会員制度を創設。会員を募集している。
2004年度のFE試験は4月18日に実施される。既に受付は開始されており、締め切りは今年12月15日。今回から受験費用が値上げされ、3万8,500円(学生は2万9,500円)となった。10月17日までに願書を提出した受験者に対しては、無料でReference Handbook (Fifth Edition)を提供する。このハンドブックは、後日有料で新版が発行されるが、内容はほぼ同じであり、早期にハンドブックを入手し勉強することが合格への近道としている。
また、JPECではこのほど、大学および企業を対象として特別協賛会員制度を導入した。同制度は、FE試験およびPE試験を日本に根付かせることでより多くの人が受験できるようにするもの。会員の学生あるいは社員が受験する場合、受験料を割引するほか、JPECが関わる参考書などの出版物の割引、試験情報や受験での注意事項などの情報提供などを行う。年会費は1団体30万円。入会金5万円。
試験および特別協賛会員制度の詳細はJPECホームページで。http://www.jpec2002.org
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Project News
Shellケミカル、シンガポールで次期エチレンのFS
インドネシアで肥料プラント計画
UAE、Bu Hasaでガスコンプレッサー発注
イランSouthPars phase 15〜16でITB
カタールLLDPEプラントでITB
サウジ初のIWPPプロジェクト
杏林製薬、能代に内服薬工場
富山化学、抗菌剤工場建設を計画
新日本製鉄、北九州で発電事業
帝国石油、新潟でPPS
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編集後記
○…米国によるイラクの占領統治はきわめて厳しい状況に追い込まれている。米国は主導権を握りながらも、国連安保理に多国の軍隊派兵を求める決議案を提案、また財政的にも各国に支援を求める姿勢を明らかにした。開戦の経緯を考えても国際社会の支援が実現するには紆余曲折がありそうだ。
米国の統治はイラクの民主化をめざし、テロ根絶をめざす。そのためにイラクのフセイン政権の体制を解体、そしてイスラム原理主義勢力を排除するというものだ。これはいままで数十年にわたってイラクを統合してきた政治・経済体制を解体することを意味する。そしてこれに代わる体制を構築できていないのが現在の状況であろう。
イラクは、世俗政党バース党が指導する社会主義国家であり、多くの雇用を国家が行う社会主義経済であったのだ。フセイン体制の解体−バース党中堅幹部以上を追放し、軍を解散、省庁を縮小は、多くの失業者を生み出した。システムを知り、武器を調達できる彼らが反米・反体制勢力となる構図ではなかったか。
しかし、国連本部・シーア派幹部襲撃とエスカレートした現在では、アルカイダなどのイスラム国際テロリスト集団の本格的参戦がいわれている。速やかな国連主導によるイラク支援体制の確立が望まれる。
○…「最近、頑固になった」と言われたら老化現象が表れた証拠だそうだ。そう言われる年令に達してみると、子供の頃、近所にいた「頑固おやじ」はそれほど周囲に見当たらない。いるのは、妙に物分りのいい人ばかりである。辞書によると、頑固とは「かたくなで意地っ張りなこと」とある。わが身を振り返ってみると、ますます意地っ張りは昂じている。しかし、本心とは裏腹に周囲と接する場合はこの意地っ張りな態度は影をひそめる。同年諸氏もまた、頑固さを発揮しようにもその場がなくなってきているのではないか。
なぜだろうか。昔いた、恐い「頑固おやじ」は近所の悪がきどもを大声で叱っていた。頑固とともにその「おやじ」にはある種の正義感が備わっていたような気がする。近所の人もそれを認めていた。たとえ、その正義感が時代遅れであったとしてもだ。ところが、いま近所の悪がきを叱ろうにも、まずその親が出てきて「人の子供に大きなお世話」と怒鳴られるのがおちだろう。なによりも、最近の子供は何をするかわからない。下手に叱れない。なぜ、こんなことに…。斯くして、「頑固おやじ」という種は絶滅の危機に瀕している。そういえば、「今の若い者は…」という言葉が出てくると老化が進んだ証とか。
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