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■EYE
事故の教訓を読み違えるな詳細へ

■REPORT
公共事業の新手法、PFIに投げかけられた疑問
「衆議院赤坂議員宿舎整備等事業」で森ビルが訴訟詳細へ

産機工、日本版ロケーションファクター作成へ

■TOPICS
プラント・建設各社の第1四半期決算詳細へ

原研、原子力利用水素製造技術にメド

GEC、地下利用の空港流通機能で調査詳細へ

■GLOBAL Business
EPC企業選択要因はPM能力が第一詳細へ
Dow Chemicalsの次世代統合エンジニアリングツール
Fluor、Duke Energyとの合弁企業を解消
イラク石油復興プロジェクト、85%がKBRに詳細へ
ABB、石油・石化事業売却先決定か
Business News

■NEWS FLASH
・川重、海外プラントを連続で受注
・三菱重工、中国向けエンジン部品生産設備をTK受注
・丸紅、インドネシア向けGIS変電所を受注
・丸紅、タイ向けコージェネ受注
・ごみ処理プラント落札状況詳細へ
・川崎重工、GTコージェネをトルコに初納入
・三井造船、プラントと環境を統合しコスト低減
・富士電機、浄水用UF膜ろ過システムを開発
・住友金属、三峡ダム水圧鉄管用鋼板を受注
・三機工業、食品エンジニアリング子会社を設立
・山武、次世代プラントオペレーションコンセプト
・TEC、プロマネを一般向けに紹介詳細へ
・Project News詳細へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル


■PROCUREMENT NEWS


■エンジニアリング・ダイジェスト


■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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事故の教訓を読み違えるな
 三重県のRDF発電設備で火災事故が起こった。消防士2名が亡くなり、国内のごみ処理施設の事故としては最も凄惨な事故の一つとなってしまった。この原稿を書いている時点では、漸く貯蔵サイロの中のRDF取り出し作業が始まったばかりであり、原因の究明までには至っていない。考えられるのは、RDF製造段階の問題、貯蔵サイロでの漏水などがある。RDF製造段階については、乾燥が十分でなく貯蔵中に発酵が始まった可能性、あるいはRDF乾燥のため生石灰を使ったものの乾燥が十分でなく生石灰と水との反応熱が生じた可能性。貯蔵サイロの水漏れにより、発酵あるいは生石灰と水との反応熱が発生した可能性などである。昨年12月に完成したこのプラントでは、稼働直後から貯蔵サイロでの異常発熱が繰り返されていた。その段階できちんとした原因究明と対策が行われていれば今回のような事故には至らなかったかもしれない。
問題は責任の所在である。このような事故の場合、必ずプラントメーカーの責任が問われる。しかし今回の事故の場合、何らかの責任は負わなければならないだろうが、明確にプラントが問題であるとは言い切れない。RDF化設備とRDF発電設備のメーカーは異なるうえ、RDFの性状に関する情報をメーカーがちゃんと得られていたのか。また三重県企業庁のRDFの輸送・処理計画に無理や不合理がなかったか。オペレーションを担当していた富士電機と三重県企業庁とのリスク分担がどうなっていたのか。原因が究明されなければ、こうした問題にも切り込んでいくことはできない。にも関わらず、今回の場合では「民間に運営委託をすることが悪い」という考え方に一般論は傾いているように思える。しかしそれはごみ処理のやり方を退行させるものだし、さらにいえばPFIそのものを否定する考えでもある。
NYの大停電でも、原因がきちんと解明されていないにもかかわらず、自由化そのものが悪い、という方向に日本では話が進みそうだ。これら二つの事故は自由化や民間委託が問題なのではない。システムのどこかに不備があったのであり、それを直せばよい。
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公共事業の新手法、PFIに投げかけられた疑問
「衆議院赤坂議員宿舎整備等事業」で森ビルが訴訟
これまでの公共事業では考えられない訴訟がなされた。発注者の事業者選定が違法であるという訴えだ。対象となった事業は、PFIで実施する「衆議院赤坂議員宿舎整備等事業」である。総合評価一般競争入札で実施した事業者選定には、今回訴訟を起した森ビルグループ、落札者となった鹿島建設グループ、大林組グループの3グループが参加した。この事業者選定がPFI法に反しているという訴えだ。この訴訟に関しては、すでに各種報道が大々的に取り上げている。あらためてここで詳細な経緯は述べない。ただ、訴訟後、時間がたつにつれPFI関係者の間から、いろいろな議論が巻き起こっている。その議論の内容をレポートするとともに、この問題の検証を試みる。
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プラント・建設各社の第1四半期決算
開示内容は会社・業種毎に違い
今年から本格的に導入された四半期決算だが、長期にわたるプロジェクトを扱うプラント関連業界にとって、四半期の決算はあまり意味はない。建設業に関しては売上高に準ずる指標として受注高を提示することも可能となっている。その受注高も下期に集中する傾向が強いため、第1四半期では通期受注目標に対する達成率は低いのが通常だ。
専業3社は高い達成率
千代田化工建設、東洋エンジニアリング(TEC)、日揮の専業大手3社については今期、期初から大型案件の受注が相次いだことで第1四半期にも関わらず高い達成率となっている。千代田〜TECのサハリンUプロジェクト、TEC〜日揮のイラン・サウスパースプロジェクトのほか、千代田はLPG国家備蓄プロジェクト神栖基地設備工事、日揮はオマーン製油所、サウジアラビア向け発電設備建設をそれぞれ受注している。達成率はいずれも60%以上となっているが、通期受注目標などの予想は今のところ変更していない。一方、ゼネコンは単体ベースで受注のみを掲載。下期集中型の受注形態であるため、受注達成率は最大でも23%となっている。前年同期に比べて、国内民間向け工事が増加したことで、各社とも受注高は増加した。海外については清水建設が増加したものの、他は減少。官公庁向けは清水建設および体制建設が減少し、他は増加した。
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GEC、地下利用の空港流通機能で調査
中部空港でケーススタディ、都市競争力の強化に有効
海上空港への物流は通常、一般車両と同じく橋を利用している。しかし、天候不良時に唯一のアクセス路である橋の通行が制限されたり、一般車両との混流のため、交通渋滞の発生などの問題も発生している。そこで、空港と陸上都市を結ぶ物流アクセスを地下に構築したらどうか。エンジニアリング振興協会(ENAA)は、地下開発利用研究センター(GEC)の調査研究事業の一つとして、中部国際空港をケースタディに、「流通機能アクセス基礎調査研究」を行った。
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EPC企業選択要因はPM能力が第一
 Transmar Consultantによる世界のダウン・ストリーム分野のEPCコントラクターに関する最近の調査では、石油精製・石化のオーナー企業がコントラクターを選択する要因の1位はプロジェクトマネジメント能力となった。オーナー企業はEPCコントラクターの生存能力と信頼できるエンジニアリングリソースの供給に懸念を抱いている。弱化したEPCコントラクター産業の再建には戦略的アプローチが必要となっている。
この調査はTransmar Consultにより2年ごとにダウンストリームのエンジニアリング建設コントラクター(ECC)を対象に実施されるもので、今回は昨年10月−本年3月にかけ、北米・欧州・アジアで実施したクライアント企業の担当者・経営者102名へのインタビュー調査に基づきまとめられた。その結論の一部が公表されている。
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イラク石油復興プロジェクト、85%がKBRに
 イラク石油復興プロジェクトの正式契約の入札が行われていることは既報したが、スケジュールどおりに進行すれば、現行のKBRとの仮契約の時期にほとんどの工事が終了することが明らかになり、このプロジェクトが依然としてHalliburtonのCash Cowと評されている。このことは各社の入札意欲を殺ぎ、Bechtelは入札を辞退する。しかしFluor、Parsonsは今後のイラクへの地盤確保も狙って、やはり参加するという。
来年4月までに戦前のレベルに戻すという同プロジェクトは入札が8月14日期限で行われ、陸軍工兵隊は10月15日に契約を与え、受注企業2社が実際にイラクで仕事を開始するには1ヶ月以上かかるという。一方プロジェクトのスケジュールは220の案件11.4億ドルは3期にわかれ、第1期は9月30日までに7.16億ドル63%完了予定、第2期は12月31日までにさらに2.51億ドル22%を完了予定。従って第3期は1.76億ドル15%しか残らない。プロジェクトを急いでいることや運用する陸軍工兵隊の現場の意向もあって、正式契約企業に残される分が少ないままとなっている。
入札候補としては、Bechtel、Pride Internatinal/GlobalSantaFe、Schlumberger/Baker Hughs、Foster Wheeler、Fluor、Parsonsが挙げられている。Bechtelは辞退を表明、インフラ復興に注力、今後の石油ジョブを狙うという。FluorとParsorsonsは参加を表明している。
国連本部の爆破−イラクの治安状況は悪化の一途を辿っている。KBRも第2の死者を出した。再開されたトルコ向けパイプラインは3日後に爆破された。治安の回復なしには来年4月までに戦前水準280万BPDを回復するプロジェクトが進むとは思えない情勢となっている。
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ごみ処理プラント落札状況
豊田市のガス化溶融炉は日立造船
愛知県豊田市で入札が行われていた新清掃工場建設工事で、日立造船〜りんかい日産建設〜陣内工業所JVが落札した。落札額は104億2,000万円。近く契約し、今年度中に工事を開始。2006年度に完成、2007年度から供用開始する。設備は処理能力135t/dのガス化溶融炉を3基建設する。当初、日立造船JVの入札価格が基準価格を下回っていたため、契約を保留していたが、最終的に同JVへの発注を決めたもの。
安芸広域はJFEエンジニアンリング
広島県安芸市広域市町村事務組合は安芸市伊尾木に建設を計画しているごみ処理施設をJFEエンジニアリングが落札した。落札額は48億9,000万円。着工は来年5月。完成は2006年3月の予定。
設備は、処理能力40t/dの高温ガス化直接溶融炉2基。建屋は鉄筋コンクリート造5層構造で、延べ床面積役5,000u。安芸市のほか、9市町村のごみ処理を行い、溶融固化物や飛灰はリサイクルする計画。
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TEC、プロマネを一般向けに紹介
東洋エンジニアリング(TEC)は、同社のプロジェクトマネジメントを一般向けに紹介する単行本「プロジェクトマネジメント・成功するための仕事術」を出版した。専業エンジニアリング会社として、数多くのプロジェクト遂行経験から培ったプロジェクトマネジメントのノウハウを、一般向けに解りやすく、噛み砕いた表現で紹介したもの。構成は「プロジェクトマネジメント再入門」「プロジェクトマネジメントの世界」「プロジェクトを可視化する」「ステークホルダーマネジメント」の4章建て。プロジェクトマネジメントの心得や、リスクの認識と対応、EVMなどを丁寧に説明しており、プロジェクトマネジメント入門書として手ごろな内容といえる。
価格2,000円。出版元:日本能率協会。
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Project News
UAEガス開発PJでPQ
RasLaffanエタンクラッカー、10月末にスタート
イランLNGでPQ実施
イランIlam石化PJで入札
シリアで発電プラント計画
サウジ・シェブロン石化プロジェクトで10月に入札
サウジ、αオレフィンで再入札
ベトナム第一製油所、設計変更
日赤、北海道に新製剤工場
環境事業団、大阪PCB処理施設を建設
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編集後記
○…9月27日からの北朝鮮の核開発問題を話し合う6カ国協議、本誌が発行されている時点でどのように進展しているか、わからないが、開催以前の報道によると、日本は日本人拉致問題に言及する意向で、そのための根回しを北朝鮮以外の各国に行っているが、米国以外にはあまりはかばかしい成果はないと伝えられている。
6カ国協議の北朝鮮以外の5カ国の目的は北朝鮮に核開発を放棄させることで一致している。KEDOの枠組にかわるものを構築して北朝鮮のエネルギー問題を解決することによって、北朝鮮を国際社会に取り込むことも目標である筈だ。
このような場に拉致問題のような人道問題を提起することは得策なのだろうか。北朝鮮の反発は当然として、韓国・中国も望んではいない筈だ。韓国はもっと多数の拉致者・離散家族問題がある。韓国や中国にとって、急激な北朝鮮の体制の崩壊が難民の急増や負担と背負う事態を恐れている。
拉致問題は核問題とは別に、日本単独で北朝鮮との交渉によって解決すべき問題だ。秘密交渉は結局は北に利用されることでしかなかったのが、いままでの教訓だ。万景峰号運航再開が決まったともいう。むしろ、万景峰号などの北朝鮮船の入港拒否など、北朝鮮に対するミニ経済制裁となる措置こそ日本のとるべき道ではないのか。
○…本号に掲載したPFI事業に関する「森ビル訴訟」の経緯を振り返ってみて、あらためて公共事業にかかわる問題で疑問に感じた点が一つある。それはそもそも、その公共事業が本当に必要なのかどうかという調査・検討が果たして適切に行われているのかどうかということだ。
誰も利用しない大規模保養施設、文化ホール、当初見込みの利用者を大幅に下回る大規模テーマパークなど、国、地方公共団体が関与する施設は全国に存在する。そしていまも膨大な赤字を垂れ流し続けている。さらに、当初見込みの半分にも満たない交通量の有料道路なども現に存在する。それらは適切なFSが行われたのかどうか疑問に感じる。たとえ、シンクタンクなどによって需要予測が実施されていたとしても、それは事業主体の「はじめに事業実施ありき」の意向に沿った筋書きの結果としか思えない。問題は、そのような検証が「中立なプロフェッショナル」の視点を経てなされたかどうかである。
森ビルの訴訟以前に疑問と思うのは、そもそも「衆議院赤坂議員宿舎」の建替えは必要なのかといことだ。落札価格約333億円で300戸の宿舎を整備する。ということは単純計算で土地代を含まず1戸あたり1億3000万円をかけるということだ。本当にそんな高級な議員宿舎が必要なのか?
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