EnB 12号 目次
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■EYE
陳腐化した政策策定プロセス詳細へ

■REPORT
複雑化するプロジェクトIT詳細へ

TEC、資源開発PJで基盤を確保詳細へ

■TOPICS
JFE、DMEで積極展開

課題残して施行された日本版RPS詳細へ

プラントレベルで定常状態シミュレーション

■GLOBAL Business
米国環境ビジネス、2002年は足踏み状態詳細へ
GE・Siemens、ガスタービン(GT)市場をリード
イラク復興プロジェクト詳細へ
ポーランド企業のイラク復興ビジネス

■TENDERS

海外主要プロジェクトの消息

■NEWS FLASH
・三菱重工、世界最大のガスタービン複合発電を受注
・IHI、組換えアルブミン生産工場の基本設計受注
・新日鉄など、電力卸供給事業で会社設立
・タクマ、国内初の乾式バイオガスプラント受注
・神鋼、ITmk3の実証プラントを完成
・日立造船、佐賀大学に海洋温度差発電の研究装置納入
・前川製作、高効率自然冷媒冷却装置でエネ学会技術賞
・山武、下水の流入量予測情報提供サービスを開始
・チノー、中国に試験装置、計測機器の新会社を設立
・Bentley、CRCと認定特約店契約締結
・JBICの動き
・JSPE、ビジョン03を策定詳細へ
・人事Topics
・Project News詳細へ
■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル


■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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陳腐化した政策策定プロセス
経済産業省で総合資源エネルギー調査会基本計画部会が行われている。エネルギー政策基本法に基づいて、国のエネルギー基本計画を作成するためのものだ。
これまで日本のエネルギー政策は基本的には資源エネルギー庁が手掛けてきた。しかし、エネルギー政策は本来、重要な国策である。要するに“庁”のレベルでは力不足なのである。その意味で国がエネルギー基本計画を策定することは正しいと思う。
しかし、今開催されている基本計画部会の中身を見てみると、この部会が一体何のために行われているのか分からなくなってしまう。
部会に提出される資料は、いずれもこれまで資源エネルギー庁が行ってきていることをまとめているだけ。例えば原子力。発電過程でCO2を排出しないとか、エネルギー自給に貢献するとか、核燃料サイクルの考え方やバックエンドの方向性、今後の計画など、代わり映えしない。これで意見を出せといっても、従来の路線を超えた議論ができるとは思えない。結局はこれまでの資源エネルギー庁のやってきたことを承認しておわり、というオチになりそうだ。
国のエネルギー基本計画に期待するのは、日本が抱える基本的なエネルギー問題、エネルギーセキュリティ、環境保全、国際的に遜色のない供給価格の実現−である。これらの問題を踏まえ、日本のエネルギーの将来的な姿をまず描き出し、そのなかで自由化や、燃料電池など新たな技術も含めた各エネルギーをどう位置付けていくかを明確にして欲しいのだ。
委員会を開催し、エネルギー関係者を集めて、これまでの施策を説明し、意見を集めてそれを反映した形にして計画案をまとめる。とっくに陳腐化した手法を、国のエネルギー基本計画つくりにそのまま適用してよいのだろうか?。
ただ、多少期待ができることには、原子力に関する意見でも今までのように反対vs推進というステレオタイプではなく、より柔軟な意見が部会のなかで出てきている。様々な方面から活発に意見がでてくることを期待する。
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複雑化するプロジェクトIT

相次ぐ大型案件の受注、JVの拡大がエンジニアリング会社のプロジェクトITを複雑化させている。世界に散らばる設計オフィスと建設サイト、さらに顧客とをWebで結び利便性を拡大すると同時に、セキュリティ問題がより重要な課題となってきた。一方で、エンジニアリング会社のITシステムはJVの拡大により、共通プラットフォーム化が進んでいるように見える
世界の大規模案件では、一つのエンジニアリング会社に単独発注することがなくなり、殆どの案件でエンジニアリング会社同士によるジョイントベンチャーが採用されるようになった。ところが、プロジェクトの遂行にITが不可欠となった現在、JVによるプロジェクトは、お互いに異なるITシステム間で如何に効率的に遂行していくかが課題となった。
実際には、世界的なエンジニアリングコントラクターのプロジェクト遂行システムはほぼ似通った思想で構築されるし、CADなどの中核となるツールは、共通する市販パッケージが採用されているので、異なるシステムといっても、全く異質なものというわけではない。通常、JVの場合にはプロジェクトリーダーとなる会社のシステムを採用することになる。
しかし、JVパートナーが広がり、プジェクト遂行に関わる場所が増えれば、ネットワーク環境の整備は大きな問題になる。そこで、近年急速に整備されてきたネットワーク環境を利用した、グローバル設計インフラ、海外調達などの機能をインターネットベースで対応するようになってきた。
また、顧客からはプロジェクト進展状況をある程度工事が進んだ状況でミーティグを行うが、その際には顧客の担当窓口だけでなく、完成したプラントの運転担当者によるチェックが掛かる。そうなると、プロジェクト遂行システムには、JVパートナーとともに、顧客とのシステムも同時に考える必要がある。一方で、インターネットなどのネットワーク環境が飛躍的に向上してきたこともあり、プロジェクト遂行システムのWeb化が進んでいる。
日揮、千代田、TECの3社ともプロジェクト遂行の為に必要なシステムの基本概念はほぼ同様である。これは世界的なエンジニアリング会社でも同じ傾向にある。いずれも、海外プロジェクトが事業の中心であり、コンペティターだけでなく、顧客とも連係できる、世界標準的なシステムを採用していくのは必然となる。そのうえ、JVによる受注が急速に拡大、互いのシステムに関する理解も急速に向上した。同じ市販ソフトを用い、同様の思想で構築されたITシステムでは殆ど大きな差はなく、JVでチームを組んでも違和感がなくなっているという。一方で、このように各社のシステムが似ているということは、ITシステムそのものは商談における競争力には繋がらない。競争に参加するために必要なプロジェクト遂行の環境を整備できているかどうか問題なのである。
であれば、いっそのことエンジニアリング会社間で共通したプラットフォームを作り、その上で各社のシステムを構築していくほうが効率的かもしれない。
今のところ、共通プラットフォームつくりへ向かう動きはないものの、今後さらにJVでの受注案件は拡大していくと考えられるので、自然と共通プラットフォームに近いものが出来ていく可能性はある。

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TEC、資源開発PJで基盤を確保
東洋エンジニアリング(TEC)は、資源開発プロジェクトに力を入れる。昨年、サウジアラムコ・クウェート石油のJV(カフジ共同開発)から初めて油・ガス田開発のアライアンス・パートナーとなったことで、ベクテル、フルアーなど欧米勢に続く資源開発プロジェクトのプレイヤーとなった。日本だけでなく、アジアでも初めてのことだ。顧客との密接な関係の確立を通して資源開発分野への積極展開を目指すTECにとって、強固な基盤を築くことができた。
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課題残して施行された日本版RPS
今年4月から「電機事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(日本版RPS)」が施行された。電気事業者に対し、販売電力量に占める再生可能エネルギーからの電力を一定の割合以上にすることを義務付けるもので、これによって再生可能エネルギーの普及拡大が期待されている。
しかし、日本版RPS制度はその運用面で明確化されていない部分があるとともに、電力市場制度や地球温暖化対策など、今後の政策措置とのせイ合成についても課題が多い。エネルギー経済研究所ではこの点について研究をまとめ、提言を行った。
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米国環境ビジネス、2002年は足踏み状態
ENR誌恒例の米国環境ビジネス企業ランキングによると、200社の売上高合計327億円、前年328億円と前年並みとなった。しかし、02年はこの調査のスタートした95年の190億ドルから01年まで一貫して上昇、はじめての減少となった。再び上昇に転ずるには時間がかかるとの見方が大勢を占めている。通信は早期に低落、米国を不況に導いたのに対し、環境ビジネスでは利益率の圧縮が続いている。環境ビジネスは米国経済の減速、戦争と国際的な不安定性、環境に力点を置かない政権、州・地方の予算不足、これらに同時に打撃を受けた。
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イラク復興プロジェクト
イラクの治安の回復は遅れ、米軍を狙う組織的抵抗が復活している。石油輸出は再開されたが、治安悪化はパイプラインなど石油ガス施設の破壊など石油をはじめとする復興事業の進行に大きな不安を投げかけている。

 イラク人やアラブ諸国は早急なイラク人への権力委譲を要求しているが、米国人統治官Bremer氏は旧体制を支えたバース党幹部やイスラム原理主義者を排除するという慎重な路線をとっている。すでにイラク国民会議構想は挫折しており、代わって小規模の政治諮問委員会を発足させているが、イラク人の暫定政権樹立の目処がみえない。また、Bremer氏は旧イラクの社会主義体制から転換として政府機関を縮小しており、旧公務員の失業をまねくなど、イラク人の不満を増大させている。
イラクの全国ネットの携帯電話がGSA方式で入札でされることとなった。欧州方式であることから米国の一部に反対があったものだが周辺中東諸国の標準であり、GSAにするのが当然であった。ただし固定電話復旧問題も含めて、通信インフラの将来構想はイラク人暫定政権以降に残されている。輸出信用システムの整備など、ビジネス環境の整備は進み始めている。
イラクのインフラストラクチャーは今回のイラク戦争で重大な損傷をほとんど受けることがなかった。湾岸戦争後の国連制裁によって開発が凍結状態におかれ、怠慢と資金不足の12年間の損害は今回の42日間の戦闘よりはるかに大きな損害を与えた。使用された技術が60−70年代のものであり、使用寿命が尽きたものが多いという。さらに戦闘後の略奪が損害を大きくし、復旧を困難にしている。あらゆるセクターで治安の欠如が復興事業を妨げている。イラク復興事業は厳しい事業となっている。
石油の輸出は6月再開された。1千万バーレルをChevronTexaco、Tupas(トルコ)、Total、ENI、Repsol・Cepsa(スペイン)が購入する。トルコのタンクで凍結状態にあった原油の出荷だ。現在の石油生産量は60万バーレル/日で目標の75万バーレル/日に到達していない。夏までに150万バーレル/日の目標は極めて困難という。石油・ガスのパイプラインはメイン・支線とも、戦争による損傷に加え、最近の組織的なパイプラインの爆破が頻繁におきており、石油輸出・国内配送に大きな影響を与えている。また、LPGの50%を生産するバスラのLPGプラントも損傷を受け、電力不足もあって操業していない。

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JSPE、ビジョン03を策定
 日本プロフェッショナルエンジニア協会(JSPE)は、今後の事業のあり方を示した「VISION03」を策定した。4つの項目をバリューとしてそれに沿った戦略で事業を進めていく。このほど行われた年次総会で発表された。
2000年に設立されたJSPEは、初年度をインフラの年、2年目をトライアルの年、3年目をレッスン・ラーントの年と定めて、基盤強化、様々な事業の試みの実施を通じて、安定した運営を目指してきた。今年1月には全米PE協会(NSPE)のWinter Meetingに公式参加するなど米国との連係を強めることに成功し、会員数も250名に達した。PE資格取得者に対する継続教育(CPD)やEI(エンジニアインターン)への受験対策セミナーも定期的に開催を続けているなど、この3年間での目標を達成したとしている。
そこで、今後のJSPEの方向性を示すべく、今年度以後の事業戦略を立てたもので、JSPEのビジョン(理念)バリュー(価値)、ストラテジー(戦略)を明確化した。
JSPEのビジョンは「高度の倫理基準と専門技術を通して、公共の安全・健康・福祉・財産を守ることを追求すエンジニアの活動を支援する」。
バリューは、@世界で活躍できるエンジニアの育成、Aエンジニアの社会的地位向上、B社会貢献、C会員の相互支援と会の基盤強化−の4つ。
具体的にな事業活動としては、大学や他協会、企業に対するPE資格の普及活動を強化するとともに、国内外のエンジニアの協会、学会との交流を強化、全国展開を視野に入れた教育セミナー、会員間の交流の促進などを挙げている。
また、工学系学生や若手エンジニアに対して経験に裏打ちされた技術の伝承を行っていくことや、独立開業を希望するエンジニアに専門技術事業の設立をノウハウ面で支援する公共の安全・健康・福祉・財産に関わる技術的な問題を検討し、その成果を社会に発信などを進めていくとしている。
さらに、法的・社会的側面からエンジニアおよびPE、JSPEが置かれている状況と施策の結果を分析し、継続的に戦略・施策を高めていく考えだ。
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Project News
イラン発電プロジェクトで近く発注へ
東チモールBayu−Undan LNGが前進
豪州で肥料プロジェクト
クウェートSubiya造水で韓日連合受注
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編集後記
○…漸く世界的なSARSの感染は終息に向かったようだ。WHOが世界の6割の患者を出している中国での感染終息を宣言することができたからだ。残るは台湾とカナダのトロントだけで、WHOは世界規模での封じ込めに自信を示している。しかし、感染源は特定されておらず、冬場の再流行、特にインフルエンザ流行と重なった場合が憂慮されている。
SARSは中国を中心にアジア諸国を中心に猛威を振るった。6月23日の発表によると、SARSによる死者は805人、感染者は8459人、うち中国本土が5326人だという。経済的には観光などへの被害もさることながら、いまや中国が世界の工場となったことによる影響が大きい。なんとか夏までに終息したことにより、対中進出企業など中国に依存しいる企業も安堵し、中国は当初の7%成長目標の確保も不可能ではなさそうだ。感染症対策も経営上の大きなリスクの1つであることが認識されることとなった。
805人の死者というのは、世界的な医療体制の確立がこの程度で抑えられたといういことであろう。インフルエンザは何回かの世界的流行をもたらしているが、第一次大戦中に発生したスペイン風邪の被害は甚大だ。世界で6億人が感染、2500万人の死者がでたという。SARSは経済的リスクとしての問題の方がはるかに大きかった。
○…景気回復の兆しは一向に見えない。長引く不況は企業業績を悪化させ、サラリーマンの懐はますます寂しくなっている。確かに中には業績を向上させている企業もある。思い切ったリストラを断行したりしてだ。お蔭で我々中高年への風当たりの強さはおさまりそうもない。
しかし、不況も悪いことばかりではない。まず、飲み屋の料金が安くなったことがあげられる。けれど考えてみると、もともと飲み屋の料金が高かったといっても、接待したり、されたりの回数が多かったので自腹はあまりなかった。結局、個人で言うと実質的には負担増ということにならないか?
もう一つ、安くなったのがゴルフのプレイ料金である。一時のバカ高いプレイ代はなんだったのか。しかし、これも接待ゴルフが多く、個人で支払うということはあまりなかったような気がする。今は個人で年に数回、細々と下手なゴルフをやるくらいだ。これも個人的には負担増?
とすると、これらストレス解消策は安上がりになったといっても個人の懐の痛みは増している。こうなれば、タバコでもふかしてストレスの解消をはかるしかないかと考えていたら、7月からタバコが値上がりした。貧乏人にはますます暮らしにくい世の中になった。
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