EnB 11号 目次
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■EYE
セキュリティとアメニティ詳細へ

■INTERVIEW
三菱重工業プラント・交通システム事業センター副所長
渋田隆俊氏

■REPORT
北東アジアの天然ガスと地政学
パイプライン、地域の安定性、および北朝鮮の核問題B

■FORUM
わるい内部告発

■TOPICS
日本総研、燃料電池ビジネスモデルを構築へ詳細へ

日立造船、防災システム事業を拡充

■GLOBAL Business
欧州コントラクター、景気低迷下にも健闘詳細へ
米国コントラクター、相次ぐ市場崩壊が大きく影響
Brief News

■NEWS FLASH
・TEC、燃料DME用メタノールプラント受注詳細へ
・日揮、サウジから発電プラント受注
・IHI、アジア初オリマルジョン転換工事受注
・東京で廃棄物関連発注相次ぐ
・日本工営、ラオスの水力BOTに参画
・住友重機械、循環型汚泥減容システムを発売
・JFE/鹿島、下水処理で連係
・神戸製鋼、中期経営計画を策定
・富士電機システムズ、海外の拡大に注力詳細へ
・エンジニアリング功労者賞決定
・Project News詳細へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■CONTRACT
最近のプロジェクト受注・契約状況

■PROCUREMENT NEWS


■エンジニアリング・ダイジェスト


■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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セキュリティとアメニティ
 大規模プロジェクトが、それも日本のエンジニアリング会社同士のJVに対して、次々と発注されている。今年は、各社の受注目標のかなりのシェアをこれら大規模プロジェクトが占めることになりそうだ。
実に活況を呈しているエンジニアリング業界であるが、これだけの大規模プロジェクトが続くとプロジェクトITの面でも複雑化する。
JVでプロジェクトを受注する時には「ITプラン」が重要だ。どのようなシステムをベースとするか、ネットワークは専用線を使うのか、客先に提出するデータ形式をどうするか。一企業の本社と海外拠点をITで結ぶことなどは既に出来上がっている。今は、JV同士のネットワークの構築とデータの共有化をどのように行うかが重要となっている。大規模プロジェクトが続くと、そうした作業も増え、ネットワーク担当者の負荷が急増することになる。
しかも専用線ならばある程度は安心だが、インターネットを使用するとなると、今度は情報セキュリティの問題が生じる。これに対しては、今のところ定期的にパスワードを決めるとか、職制でネットワーク権を振りわけるなどの対策が取られているようだ。だが、定期的にパスワードを変えるのも、あまりに頻繁だと煩わしい。セキュリティと利便性とは明らかにトレードオフの関係にある。
最近、本社を移転させたある会社では、セキュリティが厳しいところに持ってきて、社員も入ったばかりでその使い方を良く分かっていなかったりして、会社の周りをうろうろする羽目になるとかならないとか…。そういえば、先日行われていた「世界ガス会議」のセキュリティも相当に厳しかった。会議場に入るときにセキュリティゲートを通り、さあ今度は展示会場に行こうとすると、またもセキュリティゲートを通らねばならない。さすがにうんざりしてしまった。
セキュリティはもちろん重要だ。しかし度が過ぎるとセキュリティが仕事の邪魔をする。リスクに見合ったセキュリティとか、アメニティを考慮したセキュリティというものがそろそろ出てきてもいいのではないか。
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日本総研、燃料電池ビジネスモデルを構築へ
家庭用燃料電池や燃料電池自動車の話題は多い。しかし、その殆どが燃料電池本体やシステムの開発に関するもので占められている。燃料電池は他の技術と異なり、既存のエネルギーインフラの改革が前提となるものであるため、どのような形態でマーケットにビルトインしていくかはシステム開発にも影響を与えるのだが、実際に燃料電池ビジネスモデルに関する話題は殆どない。
そのなかで日本総合研究所はこのほど、家庭用燃料電池をターゲットとして、DESS(Decentraized Energy System & Software)コンソーシアムを立ち上げ、ビジネスモデルの確立を目指すこととなった。
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欧州コントラクター、景気低迷下にも健闘
ECN誌は恒例のプロセス技術特集で欧州プロセス・コントラクターの近況を概観している。これによれば顧客である化学工業の景気下降期にもかわらず、多くの欧州エンジニアリング・コントラクターは健闘しており、中にはいまなお能力一杯の受注をかかえている企業もあるが、アジア勢の競争に直面、コスト削減の手を緩めていない。

中国とイランの石化プロジェクト活況
化学メーカーはここ2,3年連続で設備投資を抑制し、多くは減価償却を大きく下回るレベルに削減してきた。
エンジニアリング企業にとって厳しい状況といえるが、1990年代末のピークには及ばないものの、多くのコントラクターはかなり好調な業績を確保している。これはなお活発な設備投資を持続している2,3の地域、つまりサウジアラビアやイランなど中東、それに中国の大型投資に参画することにより、記録的受注を確保してきたためである。例えばフランスのTechnip-Coflexipはイランだけでも世界規模エチレン・プロジェクト3件を受注、中国ではBASF向けTHF/ポリTHF設備を建設中であり、Shell/CNOOC向けのSM/POおよびMPG/ポリオール・コンプレックスを千代田および三菱と共同受注している。イタリアTecnimontも、ポリオレフィン・プロジェクトで多忙を極めているが、最近受注プロジェクトの建設期間がやや延びているという。
イランや中国で建設中の半ダースほどの石化コンプレックスに関連したクラッカーやダウンストリーム設備向けの技術をオファーしているこれらのコントラクターは、Shell、BP、BASFなどの国際企業およびその中国側パートナーやイランのNPCからの最近の発注で潤ってきた。中国のプロジェクトは長期間たなざらしになってきたが、今年は2005~2006年の完成に向けて急速な進展がみられている。

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TEC、燃料DME用メタノールプラント受注
東洋エンジニアリング(TEC)は、中国・濾天化(集団)有限公司から、燃料DMEの原料となるメタノールを供給するためのメタノールプラントを受注した。
このDMEプロジェクトは、中国・四川省が推進している工業開発計画「四川西部化工城」の中心プロジェクトで、世界で初めて本格的に燃料用DMEを生産するもの。TECは既に、この10万t/yのDME製造プラントの建設を進めているが、今回はこのDMEプラントに原料メタノールを供給するため1,350t/dのメタノールを建設する。
メタノールのプロセスは英ジョンソンマッセイ・シネティックス(JMSynetix)の低圧メタノール合成プロセス。TECの役務範囲は、メタノール合成系の基本設計、TEC独自開発のMRF-Z合成管など主要機器の供給、客先設計のレビューおよび運転支援であり、運転支援を除くランプサム契約。プラントは2005年春に完成の予定。
今回の受注では、TECのMRF-Z合成管の信頼性、DMEプラントおよび2,000t/dの大粒尿素プラントの実績が評価されたとしている。TECはこれまで、中国向けをはじめトリニダード・トバゴ向けなど14件のメタノールの実績がある。
MRF-Z合成管は、多段間接冷却型ラジアルフローを採用、最大反応速度線にそって合成反応を進めると共に、反応熱を天然ガス改質用スチームとして回収できるのが特徴。これにより1系列で6,000t/d規模のメタノールプラントが実現する。圧力損失が小さく、触媒寿命が長いのも特徴だ。
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富士電機システムズ、海外の拡大に注力
富士電機が今年10月1日付けで完全持株会社へ移行するのに伴い、電機システム事業会社として発足する「富士電機システムズ」は、現在10%以下に留まっている海外比率を、今後は中国市場などに重点をあてて、海外事業を拡大、2005年には海外事業比率を20%に拡大していく。また、事業領域もプラントシステム、サービスを中心に展開し、将来的にはコンサルタントから製造、サービスまで含め設備のライフサイクルエンジニアリング展開していく考えだ。
富士電機システムズは、富士電機の純粋持株会社化に伴い、富士電機の電機システム事業を継承。社長には伊藤晴夫氏が就任する。従業員約5,700名、連結売上規模3,900億円の事業体となる。事業内容はFA・物流、ネットワークなど製造業ソリューションの情報システム、水処理、クリーンルーム、廃棄物・リサイクルなど環境システム、火力・水力・地熱発電などエネルギー、プラントシステムやそのアフターサービスなど電機・交通システムの4つの事業で構成。特にエネルギー分野では新規分野として風力発電に焦点をあてていく。また、情報システムではe-自治体ソリューションへの取り組みを強化する。
電機システムカンパニーと電機システムズが一緒になることで、機器の製造販売だけでなくサービス事業が一体化することを活かし、ソリューションビジネスへの展開を図っていく考えだ。
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Project News
広東LNG受入基地、日本勢失注
Sitra製油所改良で8月に入札
UAE、Bu HasaPJでSnamが1番札
サウジButne-1プロジェクトで5社が入札
ダス島LPGで千代田一番札
TEC、イランPVCプラント受注へ
サウジ・セメントプラントで入札
浜松市、清掃工場をDBOで整備
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編集後記

○…エンジニアリング専業3社の海外プラント大型受注が相次いだ。中東でのLNGプラントなどエネルギー分野の建設事業が中心だ。韓国勢など強力な競争相手が元気をなくしていることも一因のようだ。この結果、今後3社は低採算の案件を無理してとる必要もなくなり、好採算プロジェクトに絞って受注活動を展開できる。そのためか、3社の株価はともに高騰した。株主はもとより、プラント産業を支えるベンダーにとっても朗報だ。そして何よりも従業員の士気も高まる筈だ。日本経済が沈滞気味の中で、最近の産業界では数少ない明るいニュースの一つではなかろうか。
エンジニアリング3社がこのような隆盛を極めたことは過去にも何度かある。けれど、その期間はいずれも短かったような気がする。原油からLNGへのエネルギー転換に伴うプロジェクトは今後も出てくるだろう。しかし、それがいつまでも続くという保障はないし、日本勢が必ず勝つとは限らない。短いか長いか期間は別にして隆盛がいつまでも続くことはない。必ず衰退期がくる。隆盛の今こそ、その時に備えて真剣に対策を考えておく必要がある。それが、プラント産業の中心にいる3社の責務とはいえないだろうか。
○…SARSの病原体は普通の風邪を起こすコロナウィルスの新型ということは確実なようだ。疫学的にコロナウィルスと特定されてから、最終的に原因ウィルスのゲノム分析で裏付けられた。バイオ科学の進歩を思い知らされる。
遺伝子分析で中国広東省のハクビシン・タヌキ・アナグマの野生動物のコロナウィルスとSARSウィルスと似ていることから、これら動物が感染源との説がでてきた。とくにハクビシンが疑われている。日本は中国産のこれらの輸入を禁止した。ハクビシンは帰化動物と言われるが、江戸時代には記録のある動物で、タヌキと混同されており、アナグマとあわせて一般にはいずれもタヌキとかムジナと呼ばれている野生動物だ。ハクビシンは果物を好むことから、最近は果樹園の害獣として目だっている。輸入してペットとして飼う例もある。SARS原因説でペットのハクビシンを捨てる人もでてきた。
これら野生動物が感染源というのは広東省の野生動物を食するという食習慣があるからだ。また、動物のウィルスの人間への感染は動物から人への1次感染はともかく、人から人への2次感染はかなりの証明が必要だ。日本のハクビシンなどの野生動物の危険性はほとんどない。過剰反応はやめにしてほしい。

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