○…イラクで国立博物館などでの文化遺産が略奪された。古代メソポタミア文明やイスラム文明などの文化財のほとんどが略奪ないし破壊された。国立博物館から5000年以上昔の文化遺産5万点以上が盗まれたという。イラク人博物館職員の7000年の宝の喪失を嘆く姿がいたましい。プロの窃盗犯の仕業とUNESCOも見ている。
この略奪問題に対し、米国大統領文化財諮問委員会のサリバン委員長以下3名が辞表を提出した。サリバン委員長によると、米国が対策をとらなかったことを批判、戦争開始以前に専門家が国務省にイラクの博物館や遺跡の所在地を知らせていたことを指摘、大統領の道義的責任を問うている。
バグダッド陥落において米軍は積極的に官公庁などの略奪をあおったようだ。略奪についてコメントしたラムズフェルド国防長官の「略奪も民主化の一歩」という発言が象徴している。米軍兵士や従軍記者まで略奪に加わったことが明らかになっている。文化財略奪はこうした状況を利用した組織的犯罪のようだ。背後や買手に米国を含めた世界の富豪がいるのかもしれない。FBIがすでに富豪に情報提供を求めている。
第2次大戦で京都を爆撃しなかった米国は様変わりした。石油施設を保護しながら、世界遺産を略奪・破壊にまかせた米国の人類史上における罪は深い。
○…東京近郊市に居住している。4月13日は県議選、4月27日は市長選、市議選の投票である。普段は全く顔を会わせることのない候補者が、駅頭に立ち、我々に深々と頭を下げる。一方、都内でも知事選に続き、27日に区議選の投票が行われるため連日、候補者がスピーカーのボリュームを上げて走り回っている。候補者からの政策の語りかけもなく、ただ「お願い」するばかりである。走り回る車から政策を訴えかけるのは困難であろう。本当に候補者の政策と、なぜ立候補したのかなどを知りたければ「演説会」に顔を出すほかはない。しかし、支援者は別として演説会に顔を出す人はまれではなかろうか。地方選挙では、自分を例にとると[地縁、血縁」で頼まれたから仕方なくという投票行動になる。周りを見回してみると同じような人が少なくない。
あらゆる意味で、変革が求められているとすると、まず政治が変わらなければ、日本は変わらないであろう。まず身近な地方選挙の投票行動のパターンを変えない限り、変革は起こりえない。しかし、今の選挙手法では若者の「選挙離れ」は避けられないような気がする。期待できるとすると、将来必ず実現するであろうインターネット利用の電子投票システムだ。
|