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EDITORIAL



○…ChevronとTexacoが合併することになった。両社にとっては1年越しの課題で、これにより世界4位の企業、やっとスーパーメジャーオイルの仲間入りを果たした。世界の石油産業はかつての7メジャーからスーパーメジャーExxonMobil, RoyalDutch Shell, BP, ChevronTexaco, TatalFinaElfの5社体制となった。ChevronTexacoはかつては日石三菱のパートナーであったが、現在では日本から完全撤退している。
 深海石油開発などの巨大石油開発投資の必要性が大きな動機だが、ChevronのPhillipsと合弁とした石化事業、新分野への投資、本号でも述べたChevronのGTLや、Texacoの燃料電池・電力事業も注目される。原油価格高騰とともに、ハイドロカーボン分野投資上昇の要因として期待したい。

○…東芝と三菱電機が送変電機器で包括提携を行ったが、その発表会場で気になったのは、公正取引委員会の名前がでてきたことだ。“公取も理解してくれるだろう”そんな言葉が関係者からチラリと漏れていた。
 プラント業界でもアライアンスの動きが続いているが、こうした動きでいつも関係者が気を使うのが独占禁止法である。1社による市場の独占状態を回避し適性な競争を促すことを目的としたこの法律は決して否定されるものではない。しかし独禁法はあくまで国内市場しか見ていない。国内ではなく、海外における生き残りを目的としたプラント業界のアライアンスは独禁法の範疇を超えている。競争の舞台は国内ではなく海外である。海外における適正な競争が確保されることが重要だ。

○・・・言葉に尽くせないほどお世話になっている方のご子息が亡くなられた。交通事故による突然の訃報である。婚約者とともに逝去されてしまった。京都での葬儀に参列したが、あまりの出来事にお悔やみの言葉も出ない。
 普段、車を運転するものとしてあらためて自戒している。車社会を否定するものではないが、世の中あまりにも無謀運転が多すぎる。狭い道でも我が物顔にスピードを出す。携帯電話をかけながらの運転。他の車は全て邪魔とばかりにクラクションをならす。
 これらの車は日本中何処でも見られる。戦争より死者が多いということで「交通戦争」という言葉すらある。
 他者への配慮、思いやりなどという言葉は、日本からなくなってしまったのかも知れない。