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Duke/Fluor Daniel、ガス発電PJで1億2,000万ドルの赤字



 またまた、大型赤字ガス発電プロジェクトが発覚した。ガス発電プロジェクトの赤字はRaytheon E&C、Stone & Webster(SW)崩壊のきっかけとなったが、今回はFluorとユーザーDuke Energyとの合弁企業Duke/Fluor Danielがコジェネプラントで1億2千万ドルの赤字をだしたという。親会社への財務的影響への懸念とともに、ユーザー企業とのJVによるターンキー発電ビジネスが万能ではないことを示している。

 1億2千万ドルの赤字をだしたのはDuke/Fluor Danielがミシガン州Dearbornに建設しているコジェネプラント。ランプサムターンキーで契約、すでに一部が稼働している。この赤字はDuke Engineeringとが等分して負担することとなった。このプラントはFord MortorとRouge Steelの入っているRiver Rouge製造コンプレックスに立地、Detroit Edisonの子会社などのJVがデベロッパーとなっている。
 もともとのプラントの規模は発電能力550MW、2億4千万ドルのコストであったが、数々のチェンジオーダー、スコープ拡大により最終的には730MW、3億5千6百万ドルのコストとなった。個別の変更に対して交渉したが全スコープにわたっては適切な交渉はできなかったという。ほかに労働生産性、遅延なども赤字の原因という。
 ランプサム発電プラントコントラクトはDuke/Fluor Danielのバックボーンである。同社は電力会社と建設コントラクターとのアライアンスであり、電力規制撤廃以前の1989年にスタートし、このスタイルの企業の先駆モデルとなっていた。すでに同一企業で2つ目のプロジェクトを建設している例もでている。
 既報したようにSWを買収したShaw GroupもEntergyとJV企業を形成するなど、このスタイルの企業が発電プラント遂行の有効なビジネスモデルとされているだけに今後の動向が注目される。Fluorの赤字負担の影響はいまのところ発表されていない。
 なお、Duke/Fluor Danielはこの損失にもかかわらず、新規受注2件を重ねており、Fluorの戦略変更は感じられない。