英国コントラクターBalfour BeatyがDaimler ChryslerからAdtranz Rail Electrification(ARE)を買収、鉄道エンジニアリング分野で世界最大企業になった。米国を含む世界展開が可能となり、分野的には成長が期待できる都市高速鉄道(mass transit system)、新世代路面電車(LRT light rail transit)、メンテナンスなどへの展開が注目される。 Balfour Beatyは9月にDaimler Chryslerから鉄道エンジニアリング事業部門AREを現金1億5百万ドルで買収した。 これはDaimlerが鉄道車両部門AdtranzをカナダのBombardier Transportationに売却することが8月に決定したが、それにともなうもので、Bombardierは施設建設分野はコアビジネスではないと引きとらなかったため、Balfour Beatyに売却となった。 なお、Adtranzは1996年にABBとDaimlerとの合弁でつくられた企業で、損失企業としてABBが昨年撤退している。 Balfour BeatyはAREを買収して、鉄道エンジニアリング分野の年商が約10億ドル、国際的な事業展開をした世界最大の企業となるという。Balfour Beatyの実績は英国中心、架線工事中心であったが、世界の都市高速鉄道分野、鉄道ユーティリティ分野、アウトソーシングビジネスであるメンテナンスなどへ展開している。メンテナンスでは英国のトップ企業である。 成長市場である米国への進出も著しく、3月にMarta Track ConstructorsとMetroplex Corp.の2社を買収した。サンフランシスコのBARTの空港線拡張、ロス近郊連絡プロジェクト、ニュージャージーのLRTで活動している。 AREは年商3億ドル、技術面では第3レール高速技術などをもつコントラクターであり、地域的にはドイツ中心、スウェーデン・スペイン・オーストリアに展開、トルコ・南米・中国・マレーシア・英国でも実績がある。このように地域的にも技術的にもBalfour Beatyを補完する組み合わせである。 |