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EDITORIAL



○…Hydrocarbon Processing誌は世界のハイドロカーボンプロジェクトに関する4ヶ月ごとのアンケート調査Boxscoreを発表している。2000年10月の調査で新規プロジェクトは増加しており、1年前の水準を超え、プロジェクトのキャンセルも減少しているという。98年のアジア危機以来、ハイドロカーボン分野は低迷がつづいていたが、ブームとはなってはいないが、ようやく回復の徴候があらわれたと述べている。
 しかし、本誌「Global Business」欄で紹介したように、最近のKBRの業績は期待に反し事業再編に乗り出す。メジャーオイルの大型プロジェト投資再開、未だしという。 米国大統領選、まれにみる大激戦だったが、石油資本に近いブッシュが勝てば、市場回復にプラスが期待できるだろうか。

○…正直言って、ハタミ来日でこれほどの成果があがるとは思っていなかった。それだけ、日本がイランのエネルギー資源とプロジェクトを欲しがっていたということだろう。世界第5位の原油埋蔵量を持ち、しかも天然ガスに至っては世界第2位の埋蔵量がある。資源調達を多角化したい日本にとって、これからのイランとの関係は非常に重要なものとなっていきそうだ。
 しかし、米国がイラン・リビア制裁法を解かない以上、日本としては対外関係で第一優先としている米国の顔色を伺いつつイランとの関係づくりを進めなければならない。しかも、米国が制裁法を解けば、一気に米国企業が押し寄せて日本の出番はなくなるかもしれない。貿易保険が相変わらずクレバーなのは、その辺のこともあるのかも。

○・・・英国大使館発行の英国産業情報誌最新号に「民営化で弾みをつけた電力と水の両産業」と題したレポートを興味深く読んだ。国有企業の民営化は企業に厳しいリストラ、再編・合併を強いた。その試練を耐えて生き残った英国の電力産業、水産業が日本をはじめ世界各国で活躍する姿が紹介されている。日本の商社、エンジニアリング会社と協力したプロジェクトも紹介されている。
 ここで注目したいのは「水」である。日本でも水ビジネスは成長過程にある。空気はタダだが、いまや水は高額商品だ。オイルビジネスよりウォータービジネスの方が可能性を秘める、という見解もある。エンジニアリング企業にとっても魅力ある分野かも知れない。