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イランで総出力400万kWのボイラ・発電機の見積もり
技術移転が条件、重工、IHIなども参加



 イランでボイラ発電設備の一括入札が実施された。出力35万〜40万kWのボイラ・発電設備を10〜12基、総出力約400万kWの規模で見積もりが要請されたもので、三菱重工業、石川島播磨重工業をはじめ世界のボイラ・プラントメーカーがこれに応じている。
 同商談は、イラン国営電力会社が計画したもので、ボイラ発電機を一括契約する。しかし、その内容にはイラン国内の重機メーカーとの共同制作を行い、最終の設備は100%国産可能なまでにするという、技術移転スキームを盛り込むことが義務付けられており、プロポーザルを集めたという感が強い。
 イランの発電設備商談としては、三菱重工業および三菱商事が、シャヒッド・ラジャイ火力発電所(25万kW×4基)の増設を随意契約ベースで交渉を続けてきた。しかし、交渉が遅れているなかで、イラン国営電力会社はシャヒッド・ラジャイ発電所増設を含めて、今回のボイラ・発電機一括見積もりを世界の有力ボイラ・発電機プラントメーカーに要請したもの。日本のメーカーのほか、アンサルド、アルストーム・パワー、シーメンスなども応札した模様だ。ただ、各メーカーともイラン側の要望を100%受け入れたプロポーザルは提出していない模様。
 なお、今月末にイランのハタミ大統領が来日する予定であり、イラン側から同プロジェクトに対する協力要請があるのでは、と期待する声もある。