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重工〜トーメン、JBICにイラン向け融資を要請
NPC向けPTAプラントで



 三菱重工業とトーメンが受注したイラン向けPTA(高純度テレフタル酸)プラントで、JBICに融資を要請している。今のところ同プロジェクトに対するイラン政府の承認待ちの状態であることから、融資交渉はまだ行われていない模様だが、これが実現すればイラン革命後にはじめて日本の制度金融が使われることになる。
 同プロジェクトはイラン国営石油化学公社(NPC)が計画しているもので、ポリエステル繊維およびPET樹脂用原料として需要が増加しているPTAを年産35万トンの規模で建設するもの。建設工事は三菱重工業とトーメン、現地のエンジニアリング会社であるチャガディッシュの3社によるコンソーシアムが先ごろ約220億円で受注している。完成は2003年の予定。商談では、NPCが現在保有しているPTAプラントよりも高度化したプロセスを要求したことで、アモコ法、デュポン法、三井化学法、三菱化学法のうち、今年インドにプラントが完成した三菱化学のPTAプロセスを採用、三菱重工グループの受注が決まった。
 ただ、イラン政府は同プロジェクトに対する承認をまだ出していないため、契約はまだ完了しておらず、融資契約に対してもJBICは慎重な姿勢を見せていることから、契約発効までには数ヶ月かかるものと見られる。