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国内外とも増加
海外受注見通しは30%増

エンジ産業は4年ぶりに受注増

ENAAが業務統計速報を発表

 エンジニアリング振興協会(ENAA)は「エンジニアリング産業の実態と動向」の業務統計速報を発表した。それによると、平成12年度のエンジニアリング産業全体の受注高は、11兆6,927億円に達し前年度比5.9%増と4年ぶりに受注が増加した。

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国内外とも増加

 このうち、国内受注高は9兆5,806億円で2.7%の増加。海外受注高は2兆1,121億円で前年度比23.1%増と海外の伸びが目立つ。これにより、全受注高に占める海外比率は前年度の15.2%から18.1%へと2.9ポイント高まった。
 施設別に受注高を見ると、医薬品や食品プラントなどを含むその他産業プラントが前年度比51.6%増と大幅な伸びを示したのをはじめ、台湾新幹線が含まれる交通網整備システムや製鉄プラント、化学プラント、都市・地域開発システムが増加。
 一方、国内電力会社の投資抑制をうけた電力プラントシステムは大きく減少。貯蔵・輸送システムや海洋施設も減少している。
 業種別では、ここ数年受注が低迷していた専業大手の受注高が、前年度比57.9%増と大幅に伸びている。また、鉄鋼や通信・情報、総合建設など8業種中7業種までが受注を拡大した。
 受注が減少したのは重電で、前年度比19.7%の減少となっている。特に国内向け受注が22.5%の減少と大幅に落ち込んでいるほか、海外受注も4.7%の減少となっている。
 大幅に受注増加した専業大手は海外ではLNGや石油精製、化学プラントが好調に推移。市場も中近東や南米、アフリカなどアジア以外の市場で受注を伸ばした専業中堅では主力の化学プラントが減少したものの、環境衛生システムや電力プラント、都市地域開発などが増加した。
 総合建設は産業プラント、通信プラント、環境衛生システムで増加。海外は64%の大幅増となった。
 鉄鋼も、環境衛生システムが58%増と大幅に伸び、陸上鉄構物も30%増と回復している。海外も製鉄プラントが90%増と大幅に伸び、海外受注の低迷が4年ぶりに歯止めがかかった形となった。
 造船重機は製鉄プラントが134%増、化学プラント70%増、交通網整備システムで21%増、環境衛生システムも14%増と好調に推移。ただ電力プラントなどは減少した。逆に海外では電力プラントは増加。交通網整備システムも増加している。
 産業機械は環境衛生システムと貯蔵・輸送システムなどで国内は大幅に増加したものの、海外は大きく減少した。
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海外受注見通しは30%増

 受注高を地域別に見ると、中南米が133.8%増、中近東100.6%増、アフリカ91.2%増、大洋州53.5%増、西欧45.5%増となった一方、東南アジアや東アジアはほぼ横ばいとなった。
 受注見通しに関しては、今年度の国内は電力プラントの投資抑制が続き、他のプラントは前年並みを予想。1%程度の減少を見込んでいる。海外については、交通網整備システムで反動減を見込んでいるものの、全体では6%増の見通し。
 2002〜2004年度の中期見通しについては、国内が全体に堅調な受注を見通しており9%程度の伸びを期待。一方海外に関しては東南アジア経済危機以後低迷していた受注の回復に大きな期待を寄せており、30%という大幅な伸びを見通している。ただし、受注見通しの回答社数が少ないため、1社の見通しが全体に与える影響が大きい。
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