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EDITORIAL

○…・IT不況の直撃をうけて企業収益が一気に悪化している。日経新聞の調査によると、製造業の2002年3月期の連結予想利益は前期比22%と大幅減益であり、電機が7割減、自動車が2割増とIT震源型不況が企業を揺すぶっているという。
 IT不況は素材にも波及し2−4割の減産が始まったという。IT機器向け高級素材はアルミ箔など金属・ガラス・樹脂・インキなど素材全般に及ぶが、汎用品とはちがい収益率の高い製品だけに企業収益への影響も大きい。
 設備投資への影響はIT本体だけでなく、本誌でも懸念していたが、IT素材分野の投資が減速することは確実となった。液晶・半導体関連の機器は重機械企業の数少ないハイテク成長分野だっただけに影響は大きく、事業戦略にも影響しそうだ。

○…信じられない事件が多発している。昔から世間をにぎわした事件は多くあった。ことさら、最近事件が増えたわけではなく、マスコミが発達したいま、面白おかしく報道されるので余計に目立つのかもしれない。
 しかし、「信じられない」のは事件・事象を引き起こした人物だ。警官、判事、学校教師、役人など公僕といわれる人たちが主人公のことがあまりに多い。公僕といえども欲望は私たち俗人となんら変わることがない。が、立場上、時には自らの欲望を抑えなければならないこともあるだろう。そうでなければ我々は誰を信じていいのか。

○・・・今年の概算要求で経済産業省は、今年度予算に対して一般会計を10%近く削減した。特別会計は同額要求である。省庁も予算削減を余儀されなくなってきた、と思いきや。
 今回の予算要求は2段構えだ。一般会計を絞り込んだ分の2倍の額まで、概算要求予定施策−構造改革特別要求を出していいことになっている。
 このため、一般会計の概算要求総額は今年度846億円の増加となり、特別会計を含めた要求額全体では1,214億円の増額となった。
 ただ、構造改革特別要求は、内閣の本部・会議などの精査を経て、全省庁で半額まで絞り込まれ、再度9月末に正式の概算要求となる。ということは、全省庁ベースでは13年度と同じ予算額になるということか。なんとなく、ダマされたような気がする。
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