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東チモールパイプラインの中止とその影響
Petrobras、石油製品低硫黄化に43億ドル投資
東芝、ITエンジニアリングを新会社に統合
三菱重工、ペブルベッド原子炉でFS

東チモールパイプラインの中止とその影響

 チモール海の石油・ガス収入の分割協定はインドネシア・オーストラリア間の旧協定を東チモールとオーストラリアが改訂した。90%を東チモールに帰属し、2004年以降20年間で40億ドル、東チモールの主要な収入源となる。チモール海の開発は直接PJだけで66億ドルの規模。
 ところが最初に開発されるBayun Undanガス田からオーストラリアDarwinまでのパイプラインを建設する予定のPhillips Petroleumが、計画中止を発表した。前インドネシア政権が約束した課税政策が後退したためだが、東チモール政府は旧条件が設備コストを127%以上税金でカバーする不当な項目を改訂したという。これによりチモール海PJの実現に大きな疑問がでてきた。
 チモール海各PJに利権をもつオーストラリアのガス大手Santosはチモール海PJの他のオペレーター3社にアプローチ、各オペレーター協働でチモール海PJの実現を計画している。
 オペレーターの1社ShellはGreater SunriseガスPJを計画しているが、これを世界初の海上LNGプラントでの実施を提案するという。コスト的には40%の削減となる。リモートガス田PJのコスト削減に役立つとしており、第2号は西アフリカで計画している。チモール海のPJはプラットフォーム近くに400m×70mのバージを建設、タンカーで米国に輸送する。これが成功すれば大変なブレークスルーだ。
 Phillipsは米国のEl Pasoと2005年から20年契約でLNGを供給するLIを結んでいる。LNGプラントをオーストラリアのDarwinに建設、メキシコに輸送、メキシコにガス化ターミナルを建設、カリフォルニアおよびメキシコに68万立方フィートのガスを供給する計画であった。
 DarwinにはLNG以外に、チモール海のガス源によるメタノールプラント計画がある。カナダのMethanexは年産3千トンのプラント2基建設という計画(1号基は2005年稼働)で、ShellとWoodsideとのガス供給契約のLIを結んでいた。一方、イギリスのGTLは2004年に年産1千トンプラント計画だ。パイプライン計画中止により、新立地に変更することになるが、有力候補地が両社とも西オーストラリアDampier`近くのBurrup半島だという。ここには現地ならびに外国資本による、アンモニア尿素プラント2基、GTL1基、DME1基が誘致されている。またDow Chemicalが石化コンプレックス計画をスタディ中だ。
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Petrobras、石油製品低硫黄化に43億ドル投資

 ブラジルのPetrobrasは、同社が保有する5つの製油所の近代化と増産を計画しており、今後43億ドルを投じていく模様だ。
 Petrobrasはブラジル国内に10カ所の製油所を保有しているが、そのうち5つの製油所を対象として低硫黄化と能力増強を実施する計画。
 ブラジル産原油から精製しているガソリンは1,000ppm、またディーゼル油は2,000ppmと高濃度の硫黄分を含有している。しかし、ブラジル政府は2005年までに、ガソリン中の硫黄分を440ppm、ディーゼル油では500ppmに低減する規制を進めている。一方、Petroburasも既に政府規制を上回るガソリン80ppm、ディーゼル50ppmを目指して低硫黄化を進める考えだ。
 今回の投資はこうした動きに対応するものであり、低硫黄化とともに能力の増強もはかるもの。Petrobrasはブラジルの殆どの製油所を保有・運営しているため、今後は新規立地のプラントプロジェクトの実現は難しいと見られているものの、低硫黄化投資に関しては具体化する可能性が高い。
 Petrobrasの製油所案件では、今年3月に東洋エンジニアリング(TEC)がREFAP製油所向けRFCCと軽油深度脱硫設備、重質油熱分解装置を受注してるほか、96年にもバイア向けでFCCユニットを受注した実績を持っている。
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東芝、ITエンジニアリングを新会社に統合

 東芝の社内分社e-ソリューション社は、IT事業分野のエンジニアリング力と市場競争力を強化するため、エンジニアリング部門と関係子会社3社を統合して、10月に東芝ITソリューションを設立する。
 今回の再編は昨年10月の全社情報システム部門の情報・システム社への移管、今年4月の情報系事業のe-ソリューション社としての独立と続くIT事業強化策の一つで、すでに3月発表の中期経営計画に挙げられていたもの。技術の集約・開発管理手法の統一により、技術力強化・開発効率化を目指す。システム開発などエンジニアリングを新会社が担当、e-ソリューション社はシステム営業・コンサルティングに注力する。
 具体的にはe-ソリューション社のシステム開発部門東京システムセンターを分社、東芝エンジニアリングのIT事業、東芝アドバンスシステム、東芝システム開発を統合する。規模は従業員数2700人、2003年度売上目標1700億円。その半数以上は従業員数2700人、2000年度の売上高840億円の東芝エンジニアリングのIT事業。
 東芝エンジニアリングは従業員数4960人、2000年度売上高1230億円の規模で、IT事業とプラントエンジニアリング事業というソリューション型の企業だ。ITエンジニアリング部門とエネルギー&社会インフラ部門に分割し、IT部門を東芝ITソリューションに統合。東芝エンジニアリングはプラント事業で再出発する。
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三菱重工、ペブルベッド原子炉でFS

 三菱重工業は、次世代小型ガス原子炉として注目されているペブルベッド型原子炉(PBMR:Pebble Bed Moduler Reactor)のタービン発電機に関するFSを開始した。同原子炉を開発している南アフリカのPBMR社から、ヘリウムタービン発電機に関するFSを実施するよう内示を受けたもので、今年11月にも作業を完了させる予定。
 具体的に三菱重工業は、PBMRの冷却材として用いられるヘリウムガスで発電を行うタービン発電機の研究開発を行うもの。その結果、実現可能となれば引き続きPBMRの開発に参加し、実プラントの受注獲得を狙う考え。
 PBMRは、出力10万kW級と従来の軽水炉の10分の1程度の小型モジュールとして計画されている。黒鉛球型燃料を敷き詰めたペブルベッドに冷却材としてヘリウムを用いて高温出力を得ることを目的とした原子炉。7%の濃縮ウランを用い、出力温度は900℃と軽水炉の500℃に比べ大幅に上がるため、効率の向上が期待される。出力を取り出すガスタービンや、コンプレッサー技術の見通しをつけることが今回のFSのポイントとなるため、PBMR社から重工に依頼が寄せられた。
 PBMRは、南アフリカで開発が進められており、2002年3月にプロトタイプの建設に着手、2007年1月に完成予定のほか10基ほどの商業炉計画もある。
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