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日揮、豪州LNGプラント増設を正式受注
三菱重工、ロシアからガスコンプレッサー受注
TEC、ガスプラント近代化FEED業務を受託
丸紅、ベトナム向け複合火力発電所を受注
東芝プラント建設、マレーシアから複合火力受注
新日鉄、日新製鋼の高炉改修工事を受注
東芝プラント建設、サニックスの発電所工事を受注
千代田〜NKK、LPG低温配管受注

日揮、豪州LNGプラント増設を正式受注

 日揮は、Haliburton Australia、Hatci-Kaiser Engineering、Clough Engineeringとの共同で、オーストラリアNWS Unincorporated JVから、Woodside LNGプラント第4トレインを正式に受注した。
 第4トレインは、液化能力420万t/yの世界最大級のLNGプラントとなるもの。サイトはパースの北西約1,600kmに位置する西オーストラリア・カラサ。総投資額は約1,000億円で、このうち日揮の受注分は300億円。役務範囲は設計・調達・建設・マネージメントのEPCmであり、契約形態はレインバーサブルEPCマネージメント契約となる。完成は2004年第2四半期の予定。
 同プロジェクトは、アジア経済危機および日本市場をはじめとするLNG需要の伸び悩みから計画が遅れていたが、石油資源開発、東京ガス、東邦ガス、大阪ガス、東北電力、東京電力、九州電力など日本の需要化との長期購入契約が確認されたことで、4月2日にNWS Unincorporated JVが増設を決定した。
 日揮グループは同プロジェクトにおけるFEED業務を手掛けたほか、昨年9月には先行詳細設計(Early EPCm)を進めていたもので、昨年11月からは日揮のエンジニアをパースに駐在させている。今回、NWSの投資決定を受けて、正式な受注契約を締結した。
 同プロジェクトは、第3トレインまで稼動しているが、日揮はその全てのトレインの建設を手掛けている。また、今回のプロジェクトではプラントコストの削減や合理化の検討、環境対応などを設計に反映。この結果第2ジェティ、第5貯蔵タンクの建設が先送りされ、代わりに同グループが提案した多くのコスト削減案が盛り込まれている。
 なお、同プロジェクトではLNGの増設のほかに、沖合いガス田からプラントまでガスを送る第2トランクラインの建設も実施される。さらに、NWS Unincorporated JVでは、第4トレインと同規模の第5トレインの建設の検討も開始する見込みであり、日揮は連続受注を狙っていく。
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三菱重工、ロシアからガスコンプレッサー受注

 三菱重工業と日商岩井は、ロシアの幹線ガスパイプライン向けにガスコンプレッサー設備を受注した。受注額は約70億円。p  ガスプロムの機器調達部門であるガスコンプレクティムぺクス社から受注したもの。ガスプロムは、ロシアのスブロポル市からトルコのサムサン市まで延長760kmの天然ガスパイプラインを敷設するブルーストリームプロジェクトを推進しており、2002年初頭にも操業を開始し、年間160億m3の天然ガスをトルコに供給する計画。
 今回のガスコンプレッサーも同プロジェクトのコンプレッサーステーション向けであり、ロシア製の大型コンプレッサー駆動用ガスタービンを採用するという条件で、天然ガス昇圧用の大型コンプレッサー一式を受注したもの。
 ガスプロムは、世界最大のガス生産・販売会社。現在、欧州の天然ガス消費量の40%以上がガスプロムから供給されている。これまでに、総延長15万kmのパイプラインと4000台以上のコンプレッサー設備を保有しているが、その多くは製造から20年以上を経過して老朽化しているため、今後は年間数100台規模のコンプレッサー更新需要が見込まれている。
 なお、三菱重工と日商岩井は現在、今回のブルーストリーム向けに続き、ヤマル半島からベラルーシ〜ポーランド・ドイツまで通じるヤマルパイプラインの輸送能力増強計画向けのコンプレッサー商談も進めている。
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TEC、ガスプラント近代化FEED業務を受託

 東洋エンジニアリング(TEC)は、マレーシア国営石油公社(ペトロナス)の全額出資エンジニアリング子会社であるOGP Technival Serviceとのコンソーシアムにより、PETRONAS GASから第1ガスプラント(GPP-1)とその付帯設備、およびLPG出荷基地(ET-1)の近代化計画、新設されるエタン製造設備の基本設計業務(FEED)を受注した。
 同プロジェクトは、1985年にTECが建設したガスプラントおよび付帯設備、LPG出荷基地の能力回復と運転効率の向上を目指した改造計画と、16万t/yのエタン製造設備の基本設計業務。既設プラントが20年間のプラントライフサイクルを迎えるため、効果的な改善項目を洗い出すことを目的に、昨年6月同コンソーシアムが受注したスタディ業務の結果をもとに、近代化計画の内容を提案したものであり、FEEDの期限は今年9月末の予定。
 TECはマレーシアにおいて、石油精製および石油化学など多数のプロジェクトの建設実績があり、既存のプラント建設を通じて客先であるペトロナスと良好な関係を持っている。今回の基本設計業務の受注はこれらの実績と価格面、さらに提案の経済性や効率性が評価されたものとしている。TECでは、今回のFEED受注を足がかりとして、今後さらにPETRONAS GASからの受注に向け営業活動を展開していく構え。
 なおTECはプラントライフサイクルに注目したサービス活動を重点的に進めており、今回もその一貫。
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丸紅、ベトナム向け複合火力発電所を受注

 丸紅は、スイス大手重電機メーカーのアルストム社 (ALSTOM)とのコンソーシアムで、ベトナム電力庁 (Electricity of Vietnam) からフーミー・2-1発電所の複合火力化案件をフルターンキーで受注した。受注額は約140億円。完成は2003年年3月の予定。建設資金は全額ベトナム政府資金によって賄われることになっている。
 今回のプロジェクトは、丸紅が本案件のパートナーであるアルストム社 (旧ABB) と共同受注したフーミー2-1ガスタービン発電所の複合火力化案件で、現在、出力30万kWで運転している発電所に、排熱回収ボイラーおよび蒸気タービン発電機などを追加設置しコンバインドサイクル発電設備とすることで、燃料消費を増やさずに、総出力45万kWに出力増加を計るもの。環境への負荷を軽減する効果もある。
 役務分担は、丸紅が現地土木工事、据付工事の他に、捕機・電機機器類の納入、試運転までを行う。
 今回工事が行われるフーミー発電所は、ベトナム最大の都市であるホーチミン市に隣接したバリア・ブンタオ省に位置し、同国最大の発電所として建設が行われており、安定した電力需要の伸びを見せている同国電力システムの最重要案件として同国政府内でも位置付けられている。
 丸紅は今回のプロジェクトに引続き、同国での電力案件に一層注力して行く考え。
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東芝プラント建設、マレーシアから複合火力受注

 東芝プラント建設は、マレーシアのIPPプロジェクトPuraiコンバインドサイクル発電所のEPC建設工事を受注した。主契約者である住友商事から受注したもの。完成は2003年3月1日の予定。
 Praiコンバインドサイクル発電所は、マレーシアのIPP事業者であるSKSベンチャーが事業主体となって建設するもので、マレーシア国家計画委員会が承認しているIPPプロジェクトの一つ。
 マレーシア電力庁が保有する既設のPrai重油火力発電所(120MW×3基)に隣接した既設設備撤去跡地に、シングルシャフト型としては最大容量である出力350MWのガスタービンコンバインドサイクル発電設備を建設する。
 東芝プラント建設は、同プロジェクトの土木・建築工事および発電設備の据付、BOPの設計・調達・据付などEPCを一括して請け負う。また、技術全般の取りまとめも手掛ける。
 東芝プラント建設では、マレーシアにおいて今回のような大規模火力発電所の建設工事の実績が最近ではなく、しかも今回は26ヶ月という短工期であるため、これまで同社が手掛けてきたタイ、インド、インドネシアなど東南・西南アジアでの建設工事の技術を実績を生かしていくとしている。
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新日鉄、日新製鋼の高炉改修工事を受注

 新日本製鐵は日商岩井と共同で、日新製鋼株式会社呉製鉄所第二高炉改修工事を受注致した。2002年11月に第5次改修として火入れ再稼動する予定。
 同プロジェクトは、新日鉄が昨年に設置した高炉プラント部が手掛けるもので、同部門が他社高炉の改修を手掛けるのは、昨年のブラジル・アソミナス向けに続くもの。受注額については明らかにしていないが、数十億円程度と見られている。
 新日鉄と日商岩井は、日新製鋼 呉製鉄所第二高炉第五次改修基本計画に参画し、炉体冷却システム・炉底煉瓦構造・鋳床自動化など最適な設備を構成する事、炉体鉄皮・冷却装置・熱風炉など既存の設備を最大限に活用する事、並びに最適な工事・工法の提案を行って来た結果、今回の受注に至った。
 今回の改修工事により、呉第二高炉炉内の容積が1650立方メートルから2080立方メートルと拡大され、生産効率も向上する。
 新日鉄と日商岩井は、ブラジル・アソミナス社の高炉改修工事でも共同で受注しているなど、過去の改修工事の経験をもとにした短工期設計・工法を提案している実績が国内外で高く評価されている。今後も両社は国内外の高炉改修、新設計画に対して積極的に活動を展開していくとしている。
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東芝プラント建設、サニックスの発電所工事を受注

 東芝プラント建設は、電力小売事業者であるサニックスが北海道苫小牧市に建設を計画している「サニックス苫小牧発電所」の建設工事を受注した。東芝プラント建設が国内でEPC一括請負契約で発電所を建設するのは、これがはじめて。
 「サニックス苫小牧発電所」はサニックスが廃プラスチック燃料化事業として全国展開しているプラスチック燃料を発電用の燃料として使用するもの。出力は7万4,000kWで、国内で電力が自由化されてから初めて建設される本格的発電施設となる。
 東芝プラント建設は、設計から調達、建設、サービスまで一括で手掛けるもので、発電所設備全体の電気・計装・配管・機器など全ての設計を行う。また、調達面では燃料の軟質性プラスチック燃焼ボイラをNKK、蒸気タービンを三井造船、タービン発電機を東芝からそれぞれ調達する。また、土木・建築工事は鹿島建設に発注する予定。建設では、ボイラー設備、タービン発電機、空冷コンデンサー、付帯設備の据付を行う。5月1日に着工し、2002年7月31日に完成予定で、工期は15ヶ月。
 同社では、1999年4月から中堅社員を対象にしたEPC教育と、マネージャークラスを対象にしたプロジェクトマネージャー教育による人材教育プログラムを実施。今回のプロジェクトでこれらの人材教育プログラムの成果も試されることになりそうだ。
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千代田〜NKK、LPG低温配管受注

 千代田化工建設とNKKは、日本液化石油備蓄が事業主体となるLPG国家備蓄計画のうち、長崎県福島町の福島基地でLPG低温配管設備を受注した。受注額は72億2,000万円で、2004年3月末に完成の予定。
 同プロジェクトは、5万klのLPGタンク4基を建設してLPGを備蓄するもの。東洋エンジニアリングなどが設計業務を手掛けたほか、タンク設備に関しては新日鉄が受注している。
 今回、千代田とNKKのコンソーシアムが受注したのはLPG低温配管設備のほか、計装設備、総合仮設などの工事。両社はエネルギー・エンジニアリング事業で業務提携を行っているが、今回の受注は両社が提携して初の受注実績となるもの。
 現在両社は、中部国際空港のハイドラント設備にも共同で応札しているなど提携効果を出していくため着実に実績を重ねていく姿勢を見せている。
 LPG国家備蓄では、石川県七尾基地が今年秋から本格的に工事が始まる予定だ。
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