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Syntroleum・RentechのGTL
中国エチレンPJ、米国エンジニアリング企業の受注
現代建設、出資転換同意を条件に4億ドル融資

Syntroleum・RentechのGTL

 SyntroleumのSweetwater PJはFEEDが完了、実現に一歩進んだ。RentechのSand Creek PJは現在のガス価格では経済性がないことが判明した。しかし廃ガス原料GTL PJのFSは実現可能となった。

 オーストラリアに建設するSweetwater GTL PJはFEEDを担当したTessag INA(旧Kloecknet INA、RWE傘下になり改称)は1万バーレルのGTLと特殊製品プラントのEPCで5.06億ドルと見積もったが、これによりSyntroleumはTessagとの固定価格のEPC契約と結び、負債・資本ファイナンス契約を締結でき、事業化に一歩進んだ。
 RentechのSand Creek PJはコロラドに建設するGTLメタノールPJだ。産業廃ガスPJはJacobsとパートナリングを組んでいる。化学企業2社のPJがあり、顧客が承認すれば建設にかかる。産業排ガスは同社の鉄触媒を使ったGTL技術にふさわしい安価な原料だという。
 またRentechはPertaminaと回収困難ガスのGTL化についてアライアンスを組んだ。FSがすめば、0.5−1.5万バーレルのプラントを建設する。
 米国議会により内国産GTLは代替燃料に指定された。これによりアラスカの地元に需要のない天然ガス開発が進む。米国内でPJを開発しているRentechの米国内の事業環境にも好影響を与える。

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中国エチレンPJ、米国エンジニアリング企業の受注

 既報の通り、中国のエチレンコンプレックスについてBASF南京、Shell南海の2プロジェクトが事業認可を得た。BASF PJについては、エチレンのEPCをShaw Group、PMC (Project Management Consultant )をFluor Danielが受注したことも報じた。続いて、Shell PJについてPMCをBechtel グループの受注が内定した。

 南京PJの60万トンエチレンプラントのEPCは2月にShaw Groupに正式発注となった。子会社Stone & WebsterがE・P・Construction Serviceを担当、実際の建設は中国企業にサブコントラクトする。
 南京コンプレックスのPMCはKvaernerとの競争となったが、このほどFluor Danielが受注した。受注額は公表されていないが、通常、投資額の4−6%であり、投資額はエチレン・下流8プラントあわせて5億ドル。FluorはEPC、契約にかかわるマネジメントサービスを顧客の揚子石化−BASF公司に提供する。
 南海コンプレックスのPMCはBechtel・Foster Wheeler・Sinopec Engineering Instituteのコンソシアムが内定(LoI)し、Shellの取締会の承認待ちとなっている。なお、競合したのは、Fluor Daniel・Parsons・China National Chemical Engineeringのコンソシアム。これらは米国エンジニアリング企業のマネジメント力の強さを示すものであると共に技術移転を狙う中国企業の参画が注目される。

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現代建設、出資転換同意を条件に4億ドル融資

 経営再建中の現代建設が再び流動性危機におちいった。債権団は「大株主の減資及び出資転換」に関する現代建設の同意書提出を前提に、4億ドルの海外建設の支払保証を行い、900ウォンの新規資金を支援することとなった。

 現代建設は大株主の同意を得て、同意書を提出することとなった。大株主である鄭一族は24.3%を所有している。従来とはちがって深刻な問題が再発した場合は、原則に従って処理する方針を明らかにしている。
 現代建設が約束した再建計画の規模は7485億ウォンだが、2ヶ月で343億ウォンにしかならない。債権団は自力債権はむずかしいと判断して今回の措置を要求したとみられる。支払い保証を通じて、海外建設代金が支払われれば資金繰り問題は生じないと債権団は見ており、つなぎローンの手配もしている。
 問題は3月−4月に実施されるヨンファ会計法人の資産実査で、不良資産が多いとの結果がでれば、出資転換が避けられないという。法定管理手続き中の東亜建設の粉飾会計が発覚、担当会計法人の責任が問われているのを考慮すると、ヨンファの実査は厳しいと見られており、出資転換の可能性は低くないと見られている。出資転換が実施されれば、オーナー鄭夢憲氏の経営権は剥奪され、財閥解体の象徴的事件となろう。

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