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エネルギーソリューション事業の幕開けだ

 日揮、そして三菱化学エンジニアリングと、エンジニアリング会社によるエネルギーサービス事業への進出が続いている。
 この背景には無論、電力およびガスの構造改革を経済産業省が推し進めているということがある。そのなかで、エンジニアリング会社がビジネスチャンスを見出せるまでに、国内のエネルギー・セクターが柔軟化してきたのである。
 エネルギー施設の設計、調達、工事、メンテナンスというビジネスは従来、機器メーカーのビジネスであった。
 一方、米国から導入されたエネルギー・サービス会社(ESCO)の登場はエンジニアリング会社にもエネルギー・ビジネスへの門戸を開くかに思われた。だがESCOは消費の低減に重点がおかれており、案件の規模も小さくエンジニアリング会社にはそぐわなかった。
 だが、ESCOの出現は「エネルギー施設の所有権がユーザーにある必要はない」という概念を提示した。これは極めて重要なことであった。
 エネルギー供給システムは製造業において重要な施設ではあるが、あくまでユーティリティであり、それ自体は利益を生み出すことは無い。製造業にとって、容易にアウトソーシングの対象となる部分だ。
 日揮が資本参加する新会社は、エネルギー施設のアウトソーシングに対し、その受け皿となることを目指している。コンサルティングや燃料調達を含めた運転業務を含めたビジネスモデルは、この分野におけるエンジニアリング会社の可能性を示している。さらにこのモデルは、供給余力を使った電力小売事業に発展していくかもしれない。
 電力小売まで展開していくと、新日鉄も有力なプレイヤーだ。ユーザーとしてのノウハウを十分に活かせるためだ。
 エンジニアリング会社によるエネルギーソリューションビジネスはさらに拡大していくだろう。しかし、ユーザーのノウハウを取り込んで展開していける企業に最も大きな可能性がある。