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○…昨年、Raytheonのエンジニアリング部門を買収して、成立したWashington Groupが、破産法 Chapter11の申請をしそうだという。Raytheonから引き継いだ海外PJの赤字で、3−40億ドルの資金が必要となったことから、短期資金繰りに窮したためだ。
 昨年Washington氏率いるMorrison KnudsenがRaytheonのエンジニアリング部門を僅か5,300万ドルの現金と4.5億ドルの負債引受けで買収したときには、「良い買い物をした」「かつてWashington氏がChapter11にかかったMorrison Knudsenを安く買ったときの再来」といわれたが、事態はそう甘くはなかった。
 以上は同業者・専門家といえども、エンジニアリング企業の赤字プロジェクトの内容を把握するのは容易でないことを示している。詳細はその後の経過とともに次号Global Businessで報告する。

○…電脳音痴にとって昨今のITブームははなはだ面白くない。とにかく用語がわからない。技術・製品の優劣が判断できない。最近、居住している共同住宅で地元CATVを共同導入するかどうかでアンケートを求められた。43チャンネルを見れるらしい。しかしインターネット接続は研究中とのこと。毎月の支払はそれほど安くはない。
 だが、ブロードバンド(広帯域)方式による100Mbpsという驚異的なスピードをもつネットワークサービスが開始されるという。数年後には全国展開されるそうだ。月々の料金も高くはない。待ったほうがいいのかどうか?
 技術の進歩は早すぎ、素人に分かる解説は意外とない。

○・・・米S&Pが日本の国債の格付けを引き下げたことに対して、閣僚はまるで「大きなお世話」「勝手なことするな」といわんばかりの態度だった。これほどに危機感がないのか、とあきれ返ってしまう。
 日本国債の格付けが引き下げられるのはごく当たり前の話である。中央と地方合わせてGDPを超える借金を抱えているにもかかわらず、財政構造改革を断行する意思が全く見えない。このままでは償還に不安があると見られてもしょうがない。むしろ、格付けの引き下げが遅すぎたのではないかとすら思われる。
 引き下げによって、今までのような国債発行による財政資金調達は難しくなってきた。しかし財政規模を抑える気は無いらしい。となればやはり増税か。財政によるデフレスパイラルが加速する?