○…Stone & Websterに関する訴訟について前号で元社長が責任を追及されていることをのべたが、その元社長が反論をENR誌に寄せている。就任当初から会社を売ることを目的としたという株主の主張はナンセンスだ。会社を売ったとて氏の収入にはならないという。
氏によると、S & W の倒産の原因は4つの大型プロジェクトに行き着く、その一つはインドネシアの24億ドルのトバンプロジェクトだ。これらのプロジェクトはいずれも氏の就任以前に受注したもので、責任はないと主張している。
氏は就任以降、入札・エクゼキューションをレビューするSWATというチームをつくり、幹部社員がプロジェクトのチェックアンドバランスを見る体制をつくった。また新しいプロジェクトコントロールシステムも導入したという。しかし、わずかな資金ショートが倒産につながったという。
米国コントラクターといえども、エンジニアリング企業の経営が難しいことを痛感するとともに、資金繰りにおける米国企業環境の厳しさを見た。
○…「シーガイア」がついに破綻した。その経緯についてはここであらためて解説する必要はなかろう。が、三セク、バブル、リゾート法、テーマパーク、自治体、経営難と続く図式はシーガイアだけの問題ではない。右肩上がりの経済成長を前提に観光・余暇ブームにのった事業計画を結果論で云々してもしかたがないが、こういう事態が起こったときいつも気になることがある。事業計画の前提となる集客・売上見込みなどを予測したシンクタンク・コンサルタントの責任である。あまりに実態とかけ離れている予測値を立案しても責任は問われないのだろうか?
○・・・“GTL”は何の略だかわからないので、ちゃんと記事中に正式名称を入れておいてくれ、と言われた。つい、手を抜いてしまい、申し訳ありませんでした。
GTLはGas to Liquidの略であり、具体的には天然ガスから石油製品を取り出す技術のことである。ところが、最近取材をしていると、ちょっとニュアンスが変ってきたように思う。もともと、技術を示していたGTLという言葉が、最近ではGTLによって作り出された製品そのものまで含むようになってきているようなのである。GTLの製品としては、軽油やワックスなど幅が広い、ライトナフサも取れる。これらを石油から取り出したものと区別する必要があるのだろうが、そうすると単にGas to Liquidと記述するだけでよいのかどうか。いずれは技術ではなく製品のことをGTLと呼ぶようになるのかもしれない。