[Storkのエンジニアリング部門買収第1段階完了] JacobsによるStorkグループのエンジニアリング事業買収は、本欄で昨年既報(9月15日号参照)したが、Storkのオランダ本拠のエンジニアリング企業Stork Engineers & Contractors(Stork E&C)が4つの大型国際プロジェクトによるコスト超過に直面していることにより、12月に契約を改め、Storkのエンジニアリング事業は2段階にわけて併合されることになった。すなわち、第1段階でEngineering Groupのベルギー・ドイツ・東南アジア(タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア)の全事業およびオランダの一部事業(Stork Alpha Eng.、Stork IBN、Stork E&CのMeerssen Office)を2000年の早い時期に引き渡す。第1段階は2月に完了、この部分の統合の金額は約2,500万ドル、従業員数は1,500人、売上高は約1億7,000万ドル。 残りのエンジニアリング事業は、主としてオランダのStork E&C (Amsterdam、Rotterdam、SchiedamのOffice)であるが、大型プロジェクト継続遂行ならびにリストラの必要性から引渡しが遅れ、当面Stork、Jacobs両社の共同経営となるという。共同経営は第1段階完了とともに開始された。リストラのための再組織はすでに開始されているが、2000年中に実施され、第2段階の統合は少なくとも2001年になってからという。なお、現在のこの部分の従業員数は1,100人、売上高は1億6,000万ドル。 [RentechとGTLプロセスで協定締結] Jacobsのイギリス子会社Jacobs U.K.はGTL(Gas to liquid)の企業Rentechと同社のsynthesis gas-to-liquid(GTL)技術を世界市場にライセンスする協定を結んだ。この協定によると、両社の能力を結合して世界規模で潜在顧客の市場開拓を計画している。このJVが提供するのはライセンスとエンジニアリングサービスで、エンジニアリングサービスには各プロジェクトが必要とするデザイン・調達・建設・プロジェクト技術開発および見積もりサービスである。両社は遠隔地天然ガスや随伴ガスをはじめとしてRentechプロセスが使用可能な天然ガス源を利用するプロジェクトを対象とするという。プラント規模は2,000〜5万バーレル/日。 Rentechは1981年に米国Colorado州に設立された企業で、GTLプロセスを開発・保有し、世界で4社のGTLのコマーシャルプラントを有する企業のひとつである(他の3社はShell、Exxon、SASOL)。GTLとは天然ガスや固体・液体のハイドロカーボンから造られた合成ガスを価値のある燃料・製品・化学品に転換したものであり、Rentechプロセスによる製品についてのテストで硫黄・芳香族は感知されないとし、GTL燃料は環境対応の製品としている。最近、米国でメタノールプラントを買収、米国で初の商業プラントを建設するが、メタノールプラント改造はコストが安く、さらにメタノールプラントを買収するという。 [医薬大手Novartisとアライアンス] Jacobsはライフサイエンスの大手グローバル企業Novartisとエンジニアリングに関する国際的なアライアンスを締結、Novartisの欧州・米国・インドにおける投資に対するエンジニアリング・アーキテクチャー・バリデーションその他のサービスを供給することとなった。設備投資コストの低減が謳われているが、それにはJacobsのインドにおけるlow-costエンジニアリングセンターの活用が含まれている。Novartisの競争力に対するメリットは技術的に優れたソリューション、リードタイムの短縮、最小トータルコストを得られることという。Jacobsが最初に手がける大型プロジェクトは、アイルランドのRingaskiddy工場の活性成分(AI)プラント増強だ。JacobsはNovartisと長年の良好な関係がこの長期のパートナーシップに結びついたという。 |